東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は小幅に続伸となりました。127円安の29,618円で寄り付いた日経平均は取引開始から40分弱で203円安の29,542円まで下落しましたが、節目の29,500円を割り込むことなく踏み止まるとその後は下げ幅を縮める展開となり11時前に56円安の29,689円まで戻し67円安の29,677円で前場を終えました。

さらに下げ幅を縮め34円安の29,711円でスタートした後場の日経平均は13時30分前にプラスに転じると60円高の29,806円まで上昇し結局28円高の29,774円で取引を終えています。一方でTOPIXは小幅に下落となりましたが、新興市場は堅調で東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均が揃って上昇となっています。

2.個別銘柄等

日本製鋼所(5631)が7.1%高となりました。三菱ケミカルホールディングス(4188)傘下の三菱ケミカルと共同で開発する次世代の半導体材料の窒素ガリウム基板について2022年度から供給を始める予定だと公表したことが材料視されました。また、投資判断と目標株価の引き上げを受けて丸紅(8002)が一時2.7%高となり年初来高値を更新したほか、パーカーコーポレーション(9845)も自己株式を除く発行済株式総数の2.3%に当たる60万株を上限とする自社株買いを発表したことで3.4%高となっています。

さらにマザーズ市場では地域情報サイト運営のジモティー(7082)が5.7%高となりました。地域掲示板サイトのジモティーでのオンライン決済機能においてNTTドコモのスマートフォン決済「d払い」の利用を開始すると発表したことが好感されました。

一方で資源開発大手のINPEX(1605)が4.5%安となりました。欧州での新型コロナウイルスの感染再拡大で経済活動が停滞し原油需要が減少するとの懸念から先週末のWTIの原油先物価格が大幅安となり一時1カ月半ぶりの安値を付けたことで売りがかさみました。欧州での新型コロナウイルスの感染再拡大を嫌気して日本航空(9201)やANAホールディングス(9202)も安く、日本航空が一時3.7%安、ANAホールディングスも一時2.8%安となりました。投資判断や目標株価の引き下げを受けてコニカミノルタ(4902)やマブチモーター(6592)も安く、コニカミノルタが投資判断と目標株価の引き下げを嫌気して一時3.7%安となり、マブチモーターも目標株価の引き下げを受けて4.0%安となっています。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は28円高となりました。欧州での新型コロナウイルスの感染再拡大を嫌気して先週末の米国市場でダウ平均が270ドル近く下げたことから売りが先行しましたが、節目の29,500円を前に下げ渋ると持ち直し後場に上昇に転じました。

底堅さをみせプラスとなったことで30,000円の大台回復への期待も膨らみますが、明日の日本市場が休場で、25日の米国市場も感謝祭の祝日で休場となることから積極的に動きにくく、こうしたなかで30,000円を試すような動きがみられるかが今週もポイントとなりそうです。なお、日本時間の23日の午前零時には10月の米中古住宅販売件数が発表されるほか、23日の23時45分には米PMI速報値が発表される予定です。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)