【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 35,601.98 ▼268.97 (11/19)
NASDAQ: 16,057.44 △63.73 (11/19)
1.概況
米国市場は高安まちまちとなりました。ダウ平均とS&P500株価指数は新型コロナウイルスの感染再拡大で欧州景気の回復が遅れるとの懸念から下落しましたが、長期金利の低下を受けてハイテク株が買われナスダック総合株価指数は上昇し史上最高値を更新しました。ダウ平均は8ドル高とわずかに上昇してスタートしましたが、直ぐにマイナスに転じると下げ幅を広げ昼過ぎには315ドル安まで下落しました。その後やや持ち直したダウ平均ですが上値は重く結局268ドル安の35,601ドルで取引を終え3日続落となっています。また、S&P500株価指数も6ポイント安の4,697ポイントと反落となりました。一方でハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は63ポイント高の16,057ポイントと続伸となり初めて16,000ポイント台に乗せ前日に続いて史上最高値を更新しています。
2.経済指標等
主要な経済指標の発表はありませんでした。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうちエネルギーや金融、ヘルスケアなどの8業種が下げ、エネルギーが4%近く下落したほか、金融も1%以上下げました。一方で情報技術と公益事業、一般消費財・サービスの3業種が上げています。
4.個別銘柄動向
ボーイング(BA)が中型機787に新たな不具合が見つかり出荷再開が遅れると伝わったことで6%近く下げダウ平均構成銘柄で下落率トップとなり、ダウ平均を1銘柄で85ドル以上押し下げました。さらに欧州での新型コロナウイルスの感染再拡大を懸念してクルーズ船のロイヤル・カリビアン・クルーズ(RCL)やカーニバル(CCL)、ノルウェージャン・クルーズライン・ホールディングス(NCLH)が安く、ロイヤル・カリビアン・クルーズが3%近く下げ、カーニバルとノルウェージャン・クルーズライン・ホールディングスも2%以上下落しました。
一方で半導体株の一角が高く、決算を好感した買いが続き画像処理半導体のエヌビディア(NVDA)が4%余り上げ連日で上場来高値を更新したほか、マイクロン・テクノロジー(MU)も8%近く上げています。また、四半期配当の増額を発表したナイキ(NKE)が2%余り上げダウ平均構成銘柄で上昇率トップとなっています。電気自動車のテスラ(TSLA)も目標株価の引き上げを受けて3%を超える上昇となりました。
5.為替・金利等
長期金利は0.03%低い1.55%となりました。ドル円は114円近辺で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
本日の日本市場は先週末の米国市場でダウ平均が270ドル近く下げたことから下落してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が朝方の売り一巡後に下げ渋り底堅さをみせるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)