東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は先週末の米国株高を受けて3日続伸となりました。日経平均は197円高の29,807円で寄り付くと取引開始から10分余りで251円高の29,861円まで上昇しましたが、その後伸び悩むと11時過ぎに120円高の29,730円まで上げ幅を縮め144円高の29,754円で前場を終えました。

117円高の29,727円でスタートした後場の日経平均は直後に108円高の29,718円までやや上げ幅を縮めた後持ち直すと結局166円高の29,776円で取引を終えています。こうしたなか新興市場も堅調で東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均が揃って上昇となっています。

2.個別銘柄等

上期決算を発表した東京エレクトロン(8035)が一時2.7%高となり上場来高値を更新しました。半導体メーカーの投資拡大を背景に最先端向け製造装置の販売が伸びることなどから通期の営業利益の見通しを5080億円から市場予想を上回る5510億円に上方修正したことで買いが優勢となりました。東京エレクトロンの好決算を受けて他の半導体製造装置銘柄も堅調で、なかでもレーザーテック(6920)は5.3%高となりこちらも上場来高値を付けています。

同じく上期決算を発表したゆうちょ銀行(7182)も7.4%高となりました。外債投資信託やプライベートエクイティ(PE)ファンドの運用収益が増加していることなどから通期の経常利益の見通しを3550億円から市場予想を上回る4850億円に引き上げたことで買いを集めました。第3四半期の決算を発表したすかいらーくホールディングス(3197)も6.5%高となりました。コスト削減や時短協力金の計上が寄与することなどから通期の営業利益の見通しを50億円から市場予想を上回る210億円に上方修正したことで大幅高となりました。

ガンホー・オンライン・エンターテイメント(3765)もスマホゲームのパズドラがイベントの実施などで堅調に推移したことなどから第3四半期の営業利益が前年同期比で38.3%増と大幅な増益となったうえ、自社株買いを発表したこともあって19.1%高と急伸しています。一方で国内大手証券が投資判断と目標株価を引き下げたことでJFEホールディングス(5411)が2.9%安となっています。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は166円高となりました。寄り付き前に発表された7-9月期の実質GDPは前期比年率で3.0%減と2四半期ぶりにマイナス成長となり市場予想を下回ったもののマーケットへの影響は限定的で、主力ハイテク株を買い戻す動きが続き先週末の米国市場が上昇となったことで買いが優勢となり一時250円以上上げ30,000円の大台まで140円弱に迫りました。しかし、朝方の買い一巡後は伸び悩みました。30,000円の大台が意識される水準になると利益確定や戻り待ちの売りが出やすく、30,000円が戻りの壁として強く意識されているようです。

なお、決算発表も終盤ですが本日も引け後にリクルートホールディングス(6098)や三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)などが決算を発表する予定です。また、日本時間の22時30分には11月の米ニューヨーク連銀製造業景況指数が発表される予定です。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)