【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 36,327.95  △203.72 (11/5)
NASDAQ: 15,971.59  △31.28 (11/5)

1.概況

先週末の米国市場は市場予想を上回った米雇用統計を好感して上昇し、主要3指数が揃って史上最高値を更新しました。144ドル高でスタートしたダウ平均はまもなくして360ドル高まで上昇した後伸び悩むと昼過ぎに65ドル高まで上げ幅を縮めましたが、引けにかけて持ち直すと結局203ドル高の36,327ドルとなり3日に付けた史上最高値(36,157ドル)を2日ぶりに更新しています。また、S&P500株価指数も17ポイント高の4,697ポイントとなり7日連続で史上最高値を更新したほか、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も31ポイント高の15,971ポイントと10日続伸となりこちらも7日連続で史上最高値を付けています。

2.経済指標等

10月の米雇用統計で非農業部門雇用者数は前月比53万1000人増となり市場予想を上回りました。失業率は4.6%と前月から低下し市場予想を上回る改善となりました。9月の米消費者信用残高も前月比299億1000万ドル増となり市場予想を上回っています。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち10業種が上げ、エネルギーが1%を超える上昇となったほか、資本財・サービスも1%近く上げています。一方でヘルスケアが1%安となっています。

4.個別銘柄動向

製薬大手のファイザー(PFE)が開発中の新型コロナウイルス向け飲み薬の投与により入院や死亡するリスクを約9割減らせたとの治験データを公表したことで11%近く上げました。また、ファイザーの発表を受けて旅行関連株が買われクルーズ船のロイヤル・カリビアン・クルーズ(RCL)が9%近く上げ、カーニバル(CCL)も8%以上上昇しました。空運株も高く、デルタ航空(DAL)が8%余り上げ、ユナイテッド航空ホールディングス(UAL)も7%以上上昇しました。アメリカン航空グループ(AAL)も5%を超える上昇となったほか、航空機のボーイング(BA)にも買いが波及し5%以上上げダウ平均構成銘柄で上昇率トップとなりました。さらに旅行予約サイトのエクスペディア(EXPE)も15%を上回る上昇となっています。一方でファイザーと同じく新型コロナウイルス向けの飲み薬を開発するメルク(MRK)が10%近く下げダウ平均構成銘柄で下落率トップとなっています。

5.為替・金利等

先週末の長期金利は0.07%低い1.45%となりました。ドル円は113円台前半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国株高を受けて上昇してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が朝方の買い一巡後にさらに上値を伸ばすような動きをみせるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)