【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 36,124.23  ▼33.35 (11/4)
NASDAQ: 15,940.31  △128.72 (11/4)

1.概況

米国市場は高安まちまちとなりました。ダウ平均は金融株の下落が重石となり反落となりましたが、S&P500株価指数とナスダック総合株価指数はハイテク株が買われたことで続伸となり史上最高値を更新しました。50ドル安でスタートしたダウ平均は下げ幅を広げ午後に入って171ドル安まで下落した後引けにかけて持ち直しましたが戻し切れず結局33ドル安の36,124ドルで取引を終え6日ぶりに反落となっています。一方でS&P500株価指数が19ポイント高の4,680ポイントとなり6日連続で史上最高値を更新したほか、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も128ポイント高の15,940ポイントと9日続伸となりこちらも6日連続で史上最高値を更新しています。

2.経済指標等

先週一週間の米新規失業保険申請件数は前週比1万4000件減の26万9000件となり市場予想を上回る改善となりました。また、9月の米貿易収支の赤字額は前月比11.2%増の809億ドルとなり過去最高の赤字となっています。さらに7-9月期の米労働生産性指数速報値は年率換算で前期比5.0%低下し市場予想を下回りました。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち6業種が上げ、情報技術と一般消費財・サービスが1%を超える上昇となりました。一方で5業種が下げ、金融と不動産が1%以上下落しています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄ではダウ(DOW)が3%を超える下落となったほか、ゴールドマン・サックス(GS)とトラベラーズ(TRV)、ベライゾン・コミュニケーションズ(VZ)も2%以上下げ、アムジェン(AMGN)とJPモルガン・チェース(JPM)も1%を上回る下落となりました。一方でメルク(MRK)が2%余り上げ、ナイキ(NKE)とセールスフォース・ドットコム(CRM)、マクドナルド(MCD)も1%以上上昇しました。

ダウ平均構成銘柄以外では、バイオ製薬のモデルナ(MRNA)が通期の新型コロナウイルスワクチンの売上高見通しを下方修正したことで急落し18%近く下げています。動画配信機器のロク(ROKU)も決算で売上高が市場予想を下回ったことで7%を超える下落となっています。半導体のクアルコム(QCOM)は決算が市場予想を上回る増収となったことで急伸し13%近く上げています。 

5.為替・金利等

長期金利は0.08%低い1.52%となりました。ドル円は113円台後半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国市場が高安まちまちとなったことから小動きでのスタートが予想されます。こうしたなか今晩に米雇用統計の発表を控え様子見ムードの強い一日となりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)