東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は米国株高と自民党の絶対安定多数確保を好感し大幅続伸となりました。437円高の29,330円で寄り付いた日経平均は取引開始から20分で740円高の29,633円まで上昇した後10時20分過ぎに561円高の29,454円まで上げ幅を縮めましたが、その後持ち直すと645円高の29,538円で前場を終えました。

630円高の29,523円でスタートした後場の日経平均はさらに上げ幅を広げ大引け間際に774円高の29,666円まで上昇すると結局754円高の29,647円で取引を終えています。こうしたなか新興市場も高く東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均が揃って上昇となっています。

2.個別銘柄等

第3四半期決算を発表したJT(2914)が6.4%高となり年初来高値を更新しました。海外で紙巻きたばこの主力銘柄が堅調に推移していることなどから通期の営業利益の見通しを4020億円から4780億円に上方修正し、減益予想が一転して増益予想となったことで大幅高となりました。レーザーテック(6920)も6.7%高となりました。第1四半期の営業利益が前年同期比で55.4%減となったことで売りが先行しましたが、第1四半期の受注高が前年同期比4.5倍の1083億円となり1600億円と見込む通期の受注予想の約67.7%を確保したことで持ち直すと上げ幅を広げました。

また、先週末に一時4%以上上昇する場面があったソニーグループ(6758)が決算を好感した買いが続き本日も5.4%高となり連日で年初来高値を更新しています。さらにマザーズ市場ではメルカリ(4385)が7.6%高となりました。フリマアプリ「メルカリ」の国内事業の流通総額が前年同期比19%増となったことなどから第1四半期の営業利益が前年同期比2.3倍となったことで買いを集めました。

一方でHIS(9603)が4.8%安となりました。未定としていた通期の業績予想を発表し新型コロナウイルス禍で旅行需要の低迷が長引いており主力の海外旅行の取り扱い収入が大幅に落ち込んでいることなどから営業損益が630億円の赤字となる見通しを公表したことで売りがかさみました。MonotaRo(3064)も6.0%安となりました。第3四半期の営業利益は前年同期比22.1%増となりましたが、通期予想に対する進捗率が71.1%に止まったことで計画未達を懸念する売りが出ました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は754円高となりました。先週末の米国市場が好決算を好感した買いで上昇し主要3指数が揃って史上最高値を更新したことに加えて、衆院選で自民党が261議席を獲得し国会の安定運営に必要な絶対安定多数を単独で確保したこともあって大幅高となりました。

節目の29,500円を上回り、一目均衡表の雲の上限(29,530円)も上に抜けてきたことで先高期待が高まりますが、決算発表や米連邦公開市場委員会(FOMC)、米雇用統計など重要イベントが続くなかでさらに水準を切り上げることができるかがポイントとなりそうです。なお、本日も引け後にはTDK(6762)や京セラ(6971)などが決算を発表する予定です。また、日本時間の23時には米ISM製造業景況感指数が発表される予定です。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)