アルファベット(GOOGL)決算:一株利益は27.99ドルで市場予想を上回る
企業概要
アルファベットは、世界最大級のインターネット企業グーグルの持株会社である。売上高ではグーグル部門が99%、このうち広告収入が85%以上。その他、Google Playのアプリやコンテンツ、YouTube、クラウドサービス、その他ライセンスによる収入、ChromebooksやPixelスマートフォンなどのハードウェア、Google Home、ネストなどのスマートホーム製品の販売による収入がある。アザー・ベッツ部門では、ライフサイエンス事業Verily、高速インターネット回線Google Fiber、自動運転車Waymoなど、ムーンショットと称される冒険的事業に投資している。営業利益率は25%~30%程度。グーグル部門では30%、アザー・ベッツ部門は営業赤字となっている。
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.
第3四半期(7月-9月期)実績
★売上高(ex-TAC)・・・前年同期比41%増の536.2億ドル(市場予想は526.2億ドル)
★1株当たり利益(一部項目を除く)・・・27.99ドル(市場予想は23.5ドル)
2021年7-9月期決算は、売上高が前年同期比41%増の651億1800万ドル(約7兆4000億円)、純利益が同68%増の189億3600万ドルだった。経済再開に伴いインターネットサービスの利用が減るとの見方もあったが、主力のネット広告事業が伸びた。
今後の株価見通し
売上高(ex-TAC)、調整済みEPS、営業利益率が全て予想を上回っている。アップルの広告規制強化の悪影響を受けたスナップに関連し、同社もデメリットを被っているとの懸念を一蹴する内容だった。26日は2,786.17ドルで引けたが、決算を受け、引け後の時間外取引では2,768ドルレベルで推移している(NY時間午後6時42分時点)。値固め後、再度上値追いとなろう。
エンフェーズ・エナジー(ENPH)決算:一株利益は60セントで市場予想を上回る
企業概要
エンフェーズ・エナジーは、太陽光産業のためのエネルギー管理技術を提供する。太陽光発電、蓄電、管理を1つのインテリジェントプラットフォーム上で結びつける家庭用エネルギーソリューションの設計、開発、製造、販売を手掛ける。製品とサービスのポートフォリオは、Enphase Microinverters、Enphase Envoy、Enphase Enlighten、Enphase Energy Services、Enphase Storage Systemからなる。地理的には、米国から収益の大半を得ている。
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.
第3四半期(7月-9月期)実績
★売上高・・・3.515億ドル(市場予想は3.430億ドル)
★1株当たり利益(一部項目を除く)・・・60セント(市場予想は48セント)
第4四半期(10月-12月期)ガイダンス
★売上高・・・3.9-4.1億ドル(市場予想は3.708億ドル)
★粗利益率・・・38-41%
7-9月期(第3四半期)売上高、調整済みEPSはともに予想を上回った。続く第4四半期の売上高ガイダンスレンジも予想を上回った。これを受け、同社株は13%程度上昇している。
今後の株価見通し
好決算を受け、同社株は13%上昇し、196ドルレベルでの推移となった。
アドバンスト・マイクロ・デバイシズ(AMD)決算:一株利益は73セントで市場予想を上回る
企業概要
アドバンスト・マイクロ・デバイセズは、コンピューターおよび家電業界向けマイクロプロセッサーの設計を手掛ける。売上の大部分がCPUやGPUを介したパソコン市場やデータセンター市場向けとなっている。他にも、ソニーのPlayStationやマイクロソフトのXboxなど、著名なゲーム機に使用されるチップを供給している。2006年にPC業界におけるポジションを強化するためにグラフィックスプロセッサーおよびチップセットのメーカーであるATI社を買収。2009年には半導体製造部門を分社化しファウンドリー(半導体受託生産会社)のグローバルファウンドリーズを設立した。2020年には、事業を多様化し、データセンターなどの主要なエンドマーケットでの機会を拡大するために、FPGAのリーダー企業であるザイリンクスの買収合意が発表された。
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.
第3四半期(7月-9月期)実績
★収入・・・前年同期比54%増の43.1億ドル(市場予想は41.2億ドル)
★1株当たり利益(一部項目を除く)・・・73セント(市場予想は67セント)
第4四半期(10月-12月期)ガイダンス
★売上高・・・44-46億ドル(市場予想は42.5億ドル)
2021年度通期ガイダンス
★増収率・・・65%増(従来予想は60%増)
7-9月期(第3四半期)売上高、調整済みEPSはともに予想を上回った。粗利率は予想に一致。続く第4四半期の売上高ガイダンスレンジも予想を上回った。粗利ガイダンスは若干予想を下回った。2021年度通期ベースの増収率、粗利率ガイダンスレンジともに予想を上回った。
今後の株価見通し
同社株は続伸してきた後だが、決算発表日は122.93ドルで引けた後、決算発表を受けて、123ドル台で推移した(NY時間午後5時15分時点)。インテルからシェアを奪いつつある内容で、市場期待に沿った内容だった。更なる上値追いとなろう。
マイクロソフト(MSFT)決算:一株利益は2.71ドルで市場予想を上回る
企業概要
マイクロソフトは、個人や企業向けソフトウェアを開発しライセンスを供与している。ウィンドウズOSやOfficeプロダクティビティ製品で知られる。事業は、プロダクティビティ&ビジネスプロセス部門(従来型Microsoft Office、クラウドベースOffice 365、Exchange、SharePoint、Skype、リンクトイン、Dynamics)、インテリジェントクラウド部門(IaaS型やPaaS形サービスを提供するAzure、WindowsサーバーOS、SQL サーバー)、モアパーソナルコンピューティング部門(Windows Client、Xbox、Bing検索サービス、ディスプレイ広告、サーフェス、タブレット、デスクトップPC)の多種多様な製品を手掛ける同様な規模を持つ3つ部門で構成されている。
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.
第1四半期(7-9月期)実績
★売上高・・・前年同期比22%増の450.3億ドル(市場予想は439.4億ドル)
★1株当たり利益(特別項目を除く)・・・2.71ドル(市場予想は2.07ドル)
第1四半期決算(7-9月)は売上高が市場予想を上回った。在宅勤務の増加などを背景にクラウドサービスへの需要が高まった。インテリジェントクラウド事業の売上高は31%増の170億ドル。アナリスト予想は165億8000万ドルだった。
今後の株価見通し
決算発表日は310.11ドルで引けたが、決算発表後は310ドル台の推移となった。
ロビンフッド・マーケッツ(HOOD)決算:一株損失は2.06ドルで市場予想を上回る
企業概要
ロビンフッド・マーケッツは、最新の金融サービスプラットフォームを展開している。自社で設計した製品やサービスを、独自の技術で構築した単一のアプリベースのクラウドプラットフォームを通じて提供している。この垂直統合型プラットフォームによって、暗号資産の取引、配当金の再投資、単元未満株式の売買、継続投資、IPOへのアクセスなど、新たな商品やサービスの提供が可能になった。顧客からのオプション、株式、暗号資産の売買注文がマーケットメーカーにより約定された際に収益を得ている。
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.
第3四半期(7月-9月期)実績
★収入・・・前年同期比35%増の3.65億ドル(市場予想は4.24億ドル)
★1株当たり損益(一部項目を除く)・・・2.06ドルの赤字(市場予想は15セントの赤字)
7-9月期決算(第3四半期)では、1株損益が予想以上の赤字となったほか、営業収益も予想を下回った。EBITDAも予想外の赤字となった。取引ベースの収益が前期比で41%の減収となったほか、仮想通貨は前期比78%の減収となった。ガイダンスも公表しており、第4四半期、通期とも営業収益の見通しは予想を下回っている。
今後の株価見通し
冴えない決算を受け、決算発表日の時間外取引では7%下落した。当面底値模索となろう。