東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は米国株高を受けて小幅に続伸となりました。日経平均は170円高の29,385円で寄り付くと10時前に273円高の29,489円まで上昇しましたが、節目の29,500円を前に上値が押さえられると上げ幅を縮め45円高の29,261円で前場を終えました。

やや持ち直し72円高の29,287円でスタートした後場の日経平均は13時過ぎに121円高の29,336円まで上昇した後14時20分過ぎに6円高の29,222円まで上げ幅を縮めましたが、マイナスになることなく踏み止まるとやや戻し結局40円高の29,255円で取引を終えています。一方で新興市場は安く東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均が揃って下落となっています。

2.個別銘柄等

ソフトバンクグループ(9984)が4.4%高となりました。傘下のファンドを通じて出資している米シェアオフィス大手のウィーワークが21日にもニューヨーク証券取引所に上場すると決まったことが材料視されました。

また、飲食店で酒類提供を含めた時短要請の解除方針が伝わるなか串カツ田中ホールディングス(3547)や鳥貴族ホールディングス(3193)などの居酒屋関連が高く、串カツ田中ホールディングスが5.7%高、鳥貴族ホールディングスも一時4.5%高となりました。経済再開の進展で人流も次第に正常化に向かうとの見方から鉄道株も高くJR東日本(9020)が3.9%高となったほか、小田急電鉄(9007)が3.1%高、京王電鉄(9008)も3.9%高となりました。

業務用ソフト開発のソフトクリエイトホールディングス(3371)も15.1%高となり年初来高値を更新しました。ネット通販の利用が拡大するなか大手食品メーカーやアパレル向けなどの電子商取引(EC)サイト構築サービスの売り上げが拡大したことなどにより上期の業績予想を上方修正したことで買いを集めました。

暗号資産交換業者に出資するセレス(3696)もビットコインが最高値に接近したことで一時4.2%高となっています。一方で任天堂(7974)が投資判断と目標株価の引き下げを受けて3.9%安となっています。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は40円高となりました。昨日の米国市場が好決算を好感した買いで上昇したことから買いが優勢となりました。その結果、昨日の半値戻しに続いて本日は25日移動平均線(29,177円)を上回ってきましたが、節目の29,500円手前で高値を付けた後伸び悩み大きく上げ幅を縮めたことで上値の重さが意識されそうです。

なお、米国企業の決算発表がスタートしていますが20日もテスラ(TSLA)やIBM(IBM)、ベライゾン・コミュニケーションズ(VZ)などが決算を発表する予定です。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)