東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は反発しました。91円高の29,117円で寄り付いた日経平均は取引開始から15分余りで221円高の29,246円まで上昇した後9時50分過ぎに49円高の29,075円まで上げ幅を縮めましたが、前引けにかけて持ち直すと187円高の29,213円で前場を終えました。

164円高の29,190円でスタートした後場の日経平均は12時50分に247円高の29,272円まで上昇した後やや上げ幅を縮めると結局190円高の29,215円で取引を終えています。こうしたなか新興市場も高く東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均が揃って上昇となっています。

2.個別銘柄等

大東建託(1878)が3.0%高となりました。台風など災害の影響が想定より小さく建設部門の工事の進捗が順調だったことや、新型コロナウイルスの影響で引っ越しが抑制され不動産部門の入居率も高水準を維持したことなどから上期の営業利益の見通しを500億円から620億円に上方修正したことで大幅高となりました。

調剤薬局のクオールホールディングス(3034)も13.7%高となりました。高単価の在宅医療向けの調剤が伸びたうえ、人件費の抑制も寄与することなどから通期の営業利益の見通しを90億円から100億円に引き上げたことで買いを集めました。中古車販売大手のネクステージ(3186)も5.9%高となりました。買い取り専門店を過去最多ペースで出店すると伝わったことが材料視されました。

ディスコ(6146)も一時3.3%高となりました。半導体業界の強い需要を受けて加工装置の出荷が進んだことなどから4-9月期の営業利益が従来予想を30億円程度上回り前年同期比6割増となる370億円前後だったと伝わったことで買いが優勢となりました。一方で投資判断と目標株価の引き下げを受けて村田製作所(6981)と太陽誘電(6976)が安く、村田製作所が一時2.4%安となり、太陽誘電も一時4.4%安となりました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は190円高となりました。昨日の米国市場でダウ平均は小幅に反落となりましたが、ナスダック総合株価指数が続伸し15,000ポイントを回復したことから買いが優勢となりました。昨日は買いが先行したものの伸び悩むとマイナスになるなど上値の重さが目立つ一日でしたが、本日は一日を通して堅調で9月14日の年初来高値(30,670円)から10月6日に付けた直近安値(27,528円)までの下げ幅の半値戻し(29,099円)の水準を回復しました。しかし、25日移動平均線(29,225円)を小幅に上回ったところで伸び悩むと25日移動平均線をわずかに下回って引けました。

したがって上値抵抗として意識されやすい25日移動平均線を超えることができるかが明日以降もポイントとなりそうです。なお、米国企業の決算発表がスタートしていますが19日はネットフリックス(NFLX)やジョンソン・エンド・ジョンソン(JNJ)、プロクター・アンド・ギャンブル(PG)などが決算発表を予定しています。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)