【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 35,294.76  △382.20 (10/15)
NASDAQ: 14,897.34  △73.91 (10/15)

1.概況

先週末の米国市場は企業決算や小売売上高を好感して続伸となりました。111ドル高でスタートしたダウ平均はまもなくして350ドル高程度まで上昇した後伸び悩みむと昼前に一旦220ドル高程度まで弱含みましたが、取引終盤に再び上げ幅を広げると一時は408ドル高まで上昇し結局382ドル高の35,294ドルで取引を終え続伸となっています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も73ポイント高の14,897ポイントとなり3日続伸となりました。

2.経済指標等

9月の米小売売上高は前月比0.7%増となり減少を見込んでいた市場予想を上回りました。一方で10月の米ニューヨーク連銀製造業景況指数は19.8と前月から大きく低下し市場予想も下回りました。10月の米ミシガン大学消費者態度指数速報値も71.4と前月から低下し市場予想を下回っています。9月の米輸入物価指数も前月比0.1%上昇に止まり市場予想を下回りました。米輸出物価指数も前月比0.1%上昇に止まり市場予想を下回っています。8月の米企業在庫は前月比0.6%増となり市場予想と一致しています。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち8業種が上げ、一般消費財・サービスと金融が1%を超える上昇となったほか、資本財・サービスも1%近く上げています。一方で公益事業と生活必需品、コミュニケーション・サービスの3業種が下げています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄では決算が市場予想を上回る増収増益となったゴールドマン・サックス(GS)が4%近く上げ上昇率トップとなり、ダウ平均を1銘柄で100ドル余り押し上げました。また、ビザ(V)とアメリカン・エキスプレス(AXP)、キャタピラー(CAT)も2%以上上げたほか、JPモルガン・チェース(JPM)とホーム・デポ(HD)、ユナイテッドヘルス・グループ(UNH)も2%近く上昇しています。一方でウォルグリーンズ・ブーツ・アライアンス(WBA)が3%を超える下げとなり下落率トップとなっています。

ダウ平均構成銘柄以外では、電気自動車のテスラ(TSLA)が目標株価の引き上げを受けて3%高となっています。暗号資産交換業者のコインベース・グローバル(COIN)も米証券取引委員会(SEC)がビットコインで運用する初の上場投資信託(ETF)を許可するとの観測が強まりビットコインがおよそ半年ぶりに6万ドル台を回復したことで8%近く上げています。

5.為替・金利等

先週末の長期金利は0.06%高い1.57%となりました。ドル円は114円台前半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国株高を受けて上昇してのスタートが予想されます。こうしたなか本日は中国の統計発表の集中日で日本時間の11時に7-9月期のGDPや9月の鉱工業生産指数、9月の小売売上高などが発表される予定です。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)