今週発表された米国の物価指標。消費者物価指数(CPI)は高止まり、とメディアは報道する。確かに高止まりではあるけれど、ピークアウトしたようにも見える。そう見えるのは僕だけか?皆さんには、どう見えますか?

米消費者物価指数(CPI)(前月比) ※赤は食品・エネルギー除くコア
出所:Bloombergデータよりマネックス証券作成
米消費者物価指数(CPI)食品・エネルギー除くコア(前年比)
出所:Bloombergデータよりマネックス証券作成

昨日発表された9月の米生産者物価指数(PPI)は、今年に入ってから最も低い伸びとなった。変動の大きい食品とエネルギーを除くコアPPIは0.2%上昇だった。市場予想の0.5%上昇を下回り、前月の0.6%上昇から低下した。

米生産者物価指数(PPI)食品・エネルギー除くコア(前月比)
出所:Bloombergデータよりマネックス証券作成

話は変わるが、これが我が家の愛犬ピース君である。

 

時々、Monday Night Liveに登場するのでご存知の方もおられるだろう。その彼は先日、尿管結石になってしまったのだ。溶かすこともできず、膀胱に押し戻して全身麻酔でおなかを切開して石を取り出した。無事、手術は成功したのだが、彼にとっての至難は術後の生活だ。以前は人間と同じようにブランド肉などを普通に食べていたのだが、獣医から結石ができにくいようにミネラル成分などをコントロールした療養食以外、与えてはいけないと厳命されてしまったのである。

というわけで、嫌々ながらも食べ続けるうちに療養食にも慣れてきた。ところがここでまた問題が発生。昨今の供給制約のせいで物流が滞り、その療養食が入手困難になってしまったのだ。それまで買っていた動物病院と提携しているネットショップは欠品で販売停止。療養食を販売している店舗でも棚には「長期欠品でご迷惑をおかけしてすみません」の貼り紙。なんとか、あるルートから調達してきたが、いつ供給が途絶えるか不安だった。
ところが昨日、ネットショップからメールが届いた。

これは海外の供給制約が徐々に解消に向かっている証だ。インフレも落ち着いてくるだろう。

国際通貨基金(IMF)のチーフエコノミスト、ギータ・ゴピナート氏は日本経済新聞のインタビューで、このように答えている。「確かに世界経済の成長の勢いは弱まり、インフレ圧力も高まる。ただ21年の世界経済の実質成長率は5.9%、22年は4.9%と予想し、停滞とは程遠い。インフレも多くの国で22年半ばには通常の範囲に落ち着くだろう。リスクはダウンサイドに傾いているが、スタグフレーションに対処しなければならない世界ではない。」

OECDのインフレ予測も2021年Q4をピークに来年からは低下を見込んでいる。そろそろインフレ懸念も峠を越すだろう。

OECDインフレ率予測
出所:OECDデータよりマネックス証券作成

市場が見込む期待インフレ率は高止まりが続いている。一方、名目長期金利は上昇も一服となっている。これで米国10年債の実質金利は再びマイナス1%台にマイナス幅が拡大した。米国株の戻りを支えた要因だろう。イールドスプレッドで見ても3%以上のプレミアムがしっかりついており、株の割高感はない。

期待インフレ率(青)・米国10年債利回り(オレンジ)・米国10年債の実質金利(グレー)
出所:Bloombergデータよりマネックス証券作成

日本株もいよいよ衆院選に突入した。解散から総選挙までの株高アノマリー復活に期待したい。1969年以来、16連勝中である。

出所:Bloombergデータよりマネックス証券作成