【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 33,970.47  ▼614.41 (9/20)
NASDAQ: 14,713.90  ▼330.07 (9/20)

1.概況

先週末の米国市場は新型コロナウイルスの感染再拡大で景気回復が遅れるとの懸念から景気敏感株の一角や主力のハイテク株に売りが出て下落となりました。13ドル安でスタートしたダウ平均は朝方にプラスとなる場面もありましたが28ドル高で伸び悩むと下落に転じ下げ幅を広げ午後に入って231ドル安まで下落しました。その後やや持ち直したダウ平均ですが結局166ドル安の34,584ドルで取引を終え続落となっています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も137ポイント安の15,043ポイントと3日ぶりに反落となりました。

昨日の米国市場はデフォルト懸念から中国の不動産開発大手の中国恒大集団が香港市場で急落しハンセン指数が大幅下落となったことで幅広い銘柄に売りが出て大幅続落となりました。125ドル安でスターとしたダウ平均は大きく下げ幅を広げ取引終盤に971ドル安まで下落した後持ち直しましたが結局614ドル安の33,970ドルで取引を終え3日続落となっています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も330ポイント安の14,713ポイントと続落となっています。

2.経済指標等

17日に発表となった9月の米ミシガン大学消費者態度指数速報値は71.0と前月から上昇しましたが市場予想を下回っています。また、昨日発表された9月の全米住宅建設業協会(NAHB)住宅市場指数は76と前月から上昇し市場予想を上回りました。

3.業種別動向

先週末の業種別S&P500株価指数は全11業種のうちヘルスケアを除く10業種が下げました。そのなかでも素材が2%余り下落したほか、公益事業と情報技術、コミュニケーション・サービス、資本財・サービスも1%以上下げています。

昨日の業種別S&P500株価指数は11業種全てが下げました。そのなかでもエネルギーが3%安となったほか、一般消費財・サービスと金融も2%以上下げ、素材も2%近く下落しました。

4.個別銘柄動向

先週末の米国市場でダウ平均構成銘柄ではダウ(DOW)が3%近く下げたほか、キャタピラー(CAT)とアップル(AAPL)も2%近く下落しました。また、マイクロソフト(MSFT)とコカ・コーラ(KO)、ゴールドマン・サックス(GS)、ビザ(V)、インテル(INTC)が1%以上下げています。一方でアムジェン(AMGN)が1%近く上げています。ダウ平均構成銘柄以外では30億ドルの投資を発表した鉄鋼大手のUSスチール(X)が8%近く下げました。また、米国食品医薬品局(FDA)の外部専門家による諮問委員会が16歳以上の米国民に対する新型コロナワクチンの追加接種の承認に反対したことでモデルナ(MRNA)が2%を超える下落となり、ファイザー(PFE)も1%以上下げました。

昨日の米国市場でダウ平均構成銘柄はメルク(MRK)を除く29銘柄が下げました。そのなかでもキャタピラー(CAT)が4%以上下げたほか、ゴールドマン・サックス(GS)も3%を超える下落となり、JPモルガン・チェース(JPM)も3%近く下げました。ダウ(DOW)とウォルト・ディズニー(DIS)、ウォルグリーンズ・ブーツ・アライアンス(WBA)、インテル(INTC)、トラベラーズ(TRV)、アップル(AAPL)、シェブロン(CVX)、アメリカン・エキスプレス(AXP)も2%以上下げています。ダウ平均構成銘柄以外では、暗号資産交換業者のコインベース・グローバル(COIN)がビットコインの大幅下落を受けて3%を上回る下落となっています。また、中国本土での売上高が多い電気自動車のテスラ(TSLA)も4%近く下げています。

5.為替・金利等

先週末の長期金利は0.02%高い1.36%となりました。昨日の長期金利は0.05%低い1.31%となりました。ドル円は109円台前半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国市場が大幅続落となったことで大きく下落してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均は下げ幅を広げ30,000円の大台を割り込むことになりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)