今週(9月10日~9月16日)の相場動向

相場回顧 BTC:先週の暴落から売りが継続するも底堅い推移

ビットコインは先週の暴落から軟調な推移となった。エルサルバドルでは国内大手商業銀行がビットコイン決済に対応するなどの新しい動きが見られたが、相場の反応は限定的となった。また、米国ではヴァンエックが申請したビットコインETFのSEC審査が再延期になるなど、市場の期待も薄れるなかで売りが続いた。これまで市場をけん引してきたソラナ(SOL)がブロックチェーンの一時停止によって大きく下落し、ライトコイン(LTC)は米ウォルマート【WMT】と提携するというフェイクニュースによって一時急騰するなど、アルトコイン市場では混乱も起きた。さらに米公聴会ではSEC委員長のゲンスラー氏が暗号資産規制に言及した。しかし、米マイクロストラテジー【MSTR】がビットコインを買い増す動きもあり、BTC=482万円(44000ドル)付近では底堅く推移した。その後、米フィデリティをはじめとする大手金融機関による暗号資産関連事業の動きとともに買い戻しが強まった。スティーブ・コーエン氏やレイ・ダリオ氏といった著名投資家による暗号資産を支持する発言も影響し、BTC=526万円(48000ドル)付近まで回復した。

 

来週(9月17日~9月23日)の相場予想

日米の金融政策決定会合に注目、アルトコイン物色も続くなかBTCは方向感を伺う展開

7月後半以降はNFT市場がビットコインの価格上昇を支えてきたが、先週の暴落からNFTの取引高は減少傾向にあり、NFTブームに落ち着きが見られつつある。同様に相場全体を押し上げるきっかけとなったソラナ(SOL)についても、過剰な取引によってネットワークが不安定になり、その勢いを失いつつある。

しかし、金融市場全体における緩和ムードが継続するなか、やはり大きな利益が期待できるDeFiやNFTの人気は高いままとなっている。ソラナ(SOL)が落ち込んでも、イーサリアム(ETH)やポルカドット(DOT)、アバランチ(AVAX)といった他のプラットフォームへと資金が移り、そこでの売買が繰り返されている。

このようななか来週は米FOMCや日銀金融政策決定会合を控えており、日米の金融政策の動向に注目である。とくに米国におけるテーパリング開始時期に関する具体的な言及があれば、株式市場とともに売りが強まることも警戒される。また、アルトコイン物色がおこなわれるなかで引き続きビットコインのドミナンスの底値として40%を意識する。

直近上値としてはBTC=547万円(50000ドル)、下値としてはBTC=482万円(44000ドル)を意識する。