エルサルバドルがBTC(ビットコイン)導入、債券価格に影響も
先週9月7日、BTCの法定通貨化で話題となっていた中米エルサルバドルで世界初としてビットコイン法が施行されました。同国のブケレ大統領は、7日を前に同国が200BTCを追加購入し、400BTCを保有したことをツイッター投稿で明らかにしています。金額にしてはまだ約2000万ドル(約22億円)と少ないものですが、国家としての内部留保を徐々に高めていくものと思われます。
エルサルバドルは国内においてビットコインの決済インフラや流通を目指しており、Blockstream社が技術的なサポート役を担っています。個人的には、BTCの「Liquid Network」が採用された高速ペイメント経済圏の実現を見てみたいと思っています。
しかし、エルサルバドルでのBTC導入に関しては、ネガティブな報道が目立ちました。9月8日付のブルームバーグの記事によると、エルサルバドルの長期債券の利回りが、短期債券の利回りを下回る現象が起きているとのことです。つまり、長短スプレッド逆転現象が起きており、エルサルバドル債券市場ではネガティブな反応を示しているようです。(※通常の金融市場では、長期国債利回りが高く、短期国債利回りは低いのが常です。この金利が逆転現象を起こし、目先見通しが悪化していると捉えられる現象は「長短スプレッド逆転」という言葉で表現されます。株式市場では、景気後退の前兆として分析されることが一般的です。)
BTCは地合いが悪化、短期的な調整局面か
では、BTC/JPYの日足分析から見ていきましょう。
上昇トレンドラインを右に抜けてきました。そして上昇平行チャネルも下回り、MACDも下向きとなり、チャート形状としてはあまり良くありません。9月後半はある程度の調整相場に備えた方が良さそうです。
現在は少し戻りを試しそうな形状ですが、上がったところでは利食いや高値で掴んでしまった買いポジションの損切りが少しずつ入ってくるかもしれません。よって、今週は上値が重いイメージです。
485万円付近にサポートラインが引けますが、ここを割り込んだ場合、次のサポートラインとなる450-460万円付近が目安となるでしょう。
調整局面を狙った戻り売りトレード
4時間足です。90日移動平均線を下回り、次はこの付近が上値抵抗線の目安となりやすいかもしれません。(※4時間足ですので、15日分です。半月移動平均線だと考えていただいて構いません)
今週は、戻り売りトレードをご紹介したいと思います。
まずはこちらの90日移動平均線をバックに戻り売りするイメージです。第1ターゲットは485万円手前です。第2ターゲットはブレイク後を想定して、460万円付近をイメージしています。逆に450-460万円は中期トレードに備えた買い仕込みを再開させたいポイントとなります。
レバレッジ取引を行なわず、現物取引のみを行っている方は、既述通りの価格水準をポジションの縮小、再度買い戻しの目安の参考にしていただければと思います。
2021年の米国株やBTCを振り返ると、毎月20-25日前後に安値をつけやすい傾向が見られます。特に月半ばに価格が崩れることが多いようです。8月もBTCは20日まで調整し(485万円)、その後580万円まで価格上昇を演じました。個人的には、9月もそのイメージを持ってトレード予定です。
ETH/JPYも戻り売り狙い
では、ETH(イーサリアム)分析に移りましょう。
BTC同様に、この1週間の調整相場の様子を見ながら戻り売りを狙います。深い調整が来るなら、31万8000円付近のサポートラインでしょうか。32万円付近からの買指値注文を置きつつも、この付近までの戻り売り戦略を考えていきたいと思います。併せて90日移動平均線(水色)も1週間後、このサポートライン付近と重なれば買いやすいでしょう。
MACDも綺麗にダイバージェンスをしました。来週はFOMC(米連邦公開市場委員会)が予定されています。そこでテーパリングが意識されるならば、米国株式市場が調整され、ETHも連れ安になる可能性が比較的高いと考えています。よって今週から来週にかけては金融市場全体を意識したトレード戦略になるでしょう。
ターゲットは32万円
4時間足に時間軸を落とします。
34-35万円付近のサポートライン割れがポイントになるでしょう。この付近を抜けると、早そうです。今週前半に35-38万円で三角持ち合いが形成されるのが理想的だと個人的には考えています。その後、下方向にブレイクすれば、34万円割れにはストップも貯まっていることでしょう。35万円をバックに短期的な買いが入ってこれば、割り込んだ時はより一層下落トレンドが加速しやすいと思いますので、そこを上手く拾いたいところです。
現状レベルから38万円ゾーンで売りエントリー、40万円超えにストップを置きつつも、35万円手前で一部利食い、残りのポジションでサポートライン割り込みを期待しての短期的なスイングトレードは、選択肢の1つとして考えられると思います。
待望の32万円台に入るなら手仕舞いし、買い戻しをして年末に向けて買い仕込みを再開したいイメージです。
今週は、短期的な調整相場をイメージして、慎重姿勢に切り替えます。買いトレード再開のタイミングについては、また来週のコラムでお伝えする予定です。
BTC、ETHともに、今週は様子見姿勢で臨みたいと思います。