【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 35,335.71  △215.63 (8/23)
NASDAQ: 14,942.65  △227.99 (8/23)

1.概況

米国市場はファイザー(PFE)と独ビオンテック(BNTX)が共同開発した新型コロナウイルスワクチンが正式承認されたことでワクチンの接種率が高まるとの期待から景気敏感株やハイテク株に買いが入り続伸となり、ナスダック総合株価指数が史上最高値を更新しました。40ドル高でスタートしたダウ平均は昼過ぎに308ドル高まで上昇した後伸び悩むと引けにかけて上げ幅を縮めましたが結局215ドル高の35,335ドルで取引を終え続伸となっています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も227ポイント高の14,942ポイントと3日続伸となり5日に付けた史上最高値(14,895ポイント)を更新しています。

2.経済指標等

8月の米製造業PMI速報値は61.2と前月から低下し市場予想も下回りました。一方で7月の米中古住宅販売件数は年率換算で前月比2.0%増の599万戸となり市場予想を上回っています。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち7業種が上げ、エネルギーが3%を超える上昇となったほか、一般消費財・サービスと情報技術、コミュニケーション・サービスも1%以上上げています。一方で公益事業や不動産などの4業種が下げ、公益事業は1%を超える下落となっています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄では景気敏感株やハイテク株に買いが入るなかボーイング(BA)が3%余り上げ上昇率トップとなったほか、シェブロン(CVX)とインテル(INTC)、キャタピラー(CAT)も2%以上上昇しました。一方でユナイテッドヘルス・グループ(UNH)が1%安となっています。

ダウ平均構成銘柄以外では、ファイザーとバイオ製薬の独ビオンテックが共同開発した新型コロナウイルスワクチンを米食品医薬品局(FDA)が正式承認したことでファイザーが2%を超える上昇となったうえ、ビオンテックも9%以上上げました。同じ技術を使うワクチンを手掛けるモデルナ(MRNA)も正式承認への期待から7%を超える上昇となっています。また、ワクチン普及への期待から空運株が高く、ユナイテッド航空ホールディングス(UAL)とアメリカン航空グループ(AAL)が3%以上上げ、デルタ航空(DAL)も3%近く上昇しています。クルーズ船株も買われノルウェージャン・クルーズライン・ホールディングス(NCLH)が4%を超える上昇となり、カーニバル(CCL)も4%近く上げています。

さらに半導体株への買いも目立ちエヌビディア(NVDA)が5%を上回る上昇となり、アドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)も4%近く上げています。

5.為替・金利等

長期金利は変わらずの1.25%となりました。ドル円は109円台後半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国株高を受けて上昇してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が節目の27,500円を超えてどこまで上値を伸ばせるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)