東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は米国株高を受けて3日ぶりに反発しました。179円高の27,193円でスタートした日経平均は寄り付きを安値に上げ幅を広げ11時過ぎに485円高の27,499円まで上昇すると466円高の27,479円で前場を終えました。

468円高の27,481円でスタートした後場の日経平均はさらに上げ幅を広げ14時前に528円高の27,541円まで上昇するとその後も高値圏で推移し結局480円高の27,494円で取引を終えています。こうしたなか新興市場も高く東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均が揃って上昇となり、東証マザーズ指数は2.9%高となっています。

2.個別銘柄等

9月の世界生産を計画比で4割減らすと伝わったことを材料に売られ、先週末に日経平均が年初来安値を更新する要因の一つとなったトヨタ(7203)が値ごろ感から買いが入り6日ぶりに反発し3.4%高となりました。トヨタ向けの売上高の割合が大きいことから先週末に9%近く下げたデンソー(6902)も6日ぶりに反発し6.6%高となっています。

また、目標株価の引き上げを受けて大手海運株が高く、日本郵船(9101)が4.5%高となり東証1部で売買代金トップとなったほか、商船三井(9104)が5.4%高、川崎汽船(9107)も6.3%高となっています。キーエンス(6861)やソニーグループ(6758)も投資判断や目標株価の引き上げを受けて高く、キーエンスが投資判断と目標株価の引き上げを受けて4.7%高となり、ソニーグループも目標株価の引き上げを受けて3.6%高となっています。さらに暗号資産であるビットコインが5万ドルを回復したことで暗号資産交換業者に出資するセレス(3696)が5.1%高となっています。

一方でソフトバンクグループ(9984)が一時2.5%安となり年初来安値を更新しました。英当局が画像処理半導体のエヌビディア(NVDA)による半導体設計大手アームの買収について競争上の深刻な懸念があるとする報告書をまとめたと伝わったことでアームを傘下に持つソフトバンクグループが売られました。富士急行(9010)も運営する富士急ハイランドで昨年12月以降にジェットコースターの「ド・ドドンパ」の利用客4人が首の骨折などのけがを負っていたと発表したことで3.0%安となり年初来安値を更新しています。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は480円高となりました。先週末の米国市場がハイテク株や消費関連株など幅広い銘柄に買いが入り上昇したことで買いが優勢となり、先週末の東証1部の騰落レシオが76.3%と売られ過ぎとなっていたこともあって大きく上げ幅を広げました。

節目の27,500円を引けで回復できなかったことで下値への警戒感は残りそうですが、本日の反発により日経平均が節目の27,000円近辺で、そしてTOPIXが200日移動平均線近辺で下げ渋り切り返す格好となったことから調整一巡への期待も出てきそうです。なお、日本時間の22時45分に8月の米製造業PMI速報値が発表されるほか、23時には7月の米中古住宅販売件数の発表が予定されています。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)