【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 35,343.28  ▼282.12 (8/17)
NASDAQ: 14,656.18  ▼137.58 (8/17)

1.概況

米国市場は米小売売上高が市場予想を上回る減少となったことで小売株や景気敏感株に売りが出て下落となりました。125ドル安でスタートしたダウ平均は昼過ぎに505ドル安まで下げ幅を広げた後持ち直しましたが、上値は重く結局282ドル安の35,343ドルで取引を終え6日ぶりに反落となっています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も137ポイント安の14,656ポイントと続落となっています。

2.経済指標等

7月の米小売売上高は前月比1.1%減となり市場予想を下回りました。8月の全米住宅建設業協会(NAHB)住宅市場指数も75と前月から低下し市場予想を下回りました。一方で7月の米鉱工業生産指数は前月比0.9%上昇し市場予想を上回りました。設備稼働率も76.1%と前月から上昇し市場予想を上回っています。6月の米企業在庫は前月比0.8%増となり市場予想と一致しています。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち7業種が下げ、一般消費財・サービスが2%を超える下落となったほか、素材と資本財・サービスも1%以上下げています。また、コミュニケーション・サービスとエネルギーも1%近く下落しました。一方でヘルスケアや不動産などの4業種が上げ、ヘルスケアは1%以上上昇しています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄では小売株や景気敏感株に売りが出るなか決算で既存店売上高が市場予想を下回ったホーム・デポ(HD)が4%を超える下落となったほか、ボーイング(BA)も3%近く下げました。キャタピラー(CAT)とウォルト・ディズニー(DIS)も2%近く下げ、ダウ(DOW)とインテル(INTC)、スリーエム(MMM)、JPモルガン・チェース(JPM)も1%以上下げました。一方でメルク(MRK)とユナイテッドヘルス・グループ(UNH)が1%以上上げ、ジョンソン・エンド・ジョンソン(JNJ)も1%近く上昇しています。

ダウ平均構成銘柄以外では、スーパーのクローガー(KR)が著名投資家のウォーレン・バフェット氏が率いるバークシャー・ハザウェイ(BRK)が保有株数を増やしたことが明らかになったことで4%以上上げています。バイオ製薬のモデルナ(MRNA)も米政権が新型コロナウイルスワクチンの3回目の追加接種(ブースター接種)を推奨する見通しと伝わったことで7%を上回る上昇となり、ファイザー(PFE)も3%余り上げています。

5.為替・金利等

長期金利は変わらずの1.26%となりました。ドル円は109円台半ばで推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

昨日の日本市場が米国市場に先行するかたちで下落したことから本日の日本市場は小動きでのスタートが予想されます。こうしたなか昨日までの4日間で650円近く下げている日経平均が自律反発の動きをみせるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)