暗号資産市場は上昇基調、BTCは500万円台を回復

先週、米議会上院で予算決議案が通過しました。野党共和党からも一定の支持を得ての可決です。これにより、1兆ドル規模のインフラ投資法案の実現が現実味を帯びてきました。

法案の可決を受けて、米国株式市場、暗号資産市場ともに上昇しました。BTCは大幅上昇となり、500万円の大台にまで回復しました。ETH(イーサリアム)も先々週のハードフォーク以降、安定的に上昇しながら35万円を超えてきています。

では今週も早速、BTCチャートから分析していきましょう。

BTC週足はゴールデンクロス

【図表1】BTC/JPY週足
出所:MONEX TRADER CRYPTO(iPhoneアプリ)

BTCは地合いが好転してきましたので、週足から分析していきます。

MACDが週足レベルで0.00付近まで下落しましたが、ローソク足は逆に上昇し、ゴールデンクロスを実現しました。2020年後半から続いた上昇にダイバージェンスをして反落しましたが、その買われすぎシグナルが完全に解消された格好です。そして460万円付近のネックラインを明確に上抜けてきていますので、これは上昇トレンド入りと考えて良いのではないでしょうか。

ローソク足形状、MACD形状、さらにファンダメンタル的にも条件がすべて揃ってきましたので、再び史上最高値に向けて始動したようにも感じられます。

簡単に押し目を作らない

【図表2】BTC/JPY日足
出所:MONEX TRADER CRYPTO(iPhoneアプリ)

BTC/JPY日足分析に移ります。

押し目を待つなら(図表2に記載の)およそ465万円の手前からのサポートラインになると考えます。ただし、直近かなりの速度で上昇しましたので、買いのタイミングを逃した投資家も多いでしょう。そうなると押し目は浅くなります。

325万円から465万円は一直線であり、前回の押し目の400万円付近に引けるサポートラインにすらタッチせずに上昇していることを考えると、やはり買いを逃した投資家が多いように感じます。ですので、今回もサポートラインまでたどり着かない可能性もあると思います。

そのパターンも加味して、4時間足で分析してみましょう。

ダイバージェンス失敗パターンか

【図表3】BTC/JPY 4時間足
出所:MONEX TRADER CRYPTO(iPhoneアプリ)

4時間足に時間軸を落とします。

MACDダイバージェンスが発生し、4時間足レベルでは反転シグナルが出ていましたが、それを完全に無視している状況です。現在は上昇チャネルを維持しており、再び高値をうかがう雰囲気すら感じられます。MACDの上昇過熱感もかなり和らいでおり、中央線に近いことから、この付近からの上昇トレンド再開も十分あり得ると考えています。

よって、日足分析のように465万円付近のサポートラインまで押し目を作る可能性は、あまりないかもしれません。ですので、少しアクティブですが、このチャネルライン下限の位置からの参入も念頭に入れておくと良いでしょう。

図表3に緑色でトレンドラインを引いている通り、495-500万円あたりからの打診買いのイメージを持っています。MACDのダイバージェンスが解消されていることを考慮すると、これも1つの選択肢として考えられるでしょう。

ETHは価格上昇を維持

【図表4】ETH/JPY 日足
出所:MONEX TRADER CRYPTO(iPhoneアプリ)

ETH/JPY日足分析に移ります。

前回のコラムでは、8月5日のロンドンアップデートによる価格上昇について解説しました。その後、ネットワークは安定しており、過去1週間で34,400ETHほどが焼却(バーン、焼却)されていることがわかっています。1日あたり約4,900ETHが消滅しているので、これまでと比べて世の中に出てくるETHの量が減少しています。そのため、価格上昇しやすい環境なのでしょう。

BTCも上昇トレンドに回帰していますが、さらなるポジティブ材料を考えるとETHトレードを重視したほうが効率的だと私は考えています。よって、以前から持っているポジションのホールドを前提に、4時間足で追加の買いのタイミングについて分析してみましょう。

トレンドラインからの買い狙い

【図表5】ETH/JPY 4時間足
出所:MONEX TRADER CRYPTO(iPhoneアプリ)

ETH/JPY4時間足です。

図表5に緑色とピンク色のラインを2つ引いてみました。押し目買いのレベル感としては、どちらも同じかもしれませんが、追加エントリーならば、そこまでアクティブに攻める必要はないでしょう。個人的には緑色のラインからで良いと考えています。

トレンドラインが切り上がっていますので、エントリーのタイミングを図るのは少し難しいかもしれません。35万円割れぐらいから買いで入っていくイメージです。

BTC4時間足と同様に、MACDのダイバージェンスも解消気味です。これも上昇要因の1つですので、押し目買いを入れるタイミングを逃さず注視していきたいところです。

BTC、ETH含め、暗号資産市場は全般的に上昇基調です。引き続き上昇目線を堅持しながら、ポジションは基本ホールドし、追加の押し目買いで拾っていくイメージを持っています。