【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 35,264.67 △162.82 (8/10)
NASDAQ: 14,788.09 ▼72.09 (8/10)
1.概況
米国市場は高安まちまちとなりました。1兆ドル規模のインフラ投資法案が米議会上院で可決したことでダウ平均とS&P500株価指数は反発し史上最高値を更新しましたが、長期金利の上昇を受けてハイテク株に売りが出てナスダック総合株価指数は反落となりました。33ドル高でスタートしたダウ平均は直後にマイナスに転じましたが、9ドル安で下げ渋ると直ぐにプラスに戻し上げ幅を広げ昼過ぎに183ドル高まで上昇しました。その後伸び悩んだダウ平均ですが堅調に推移すると結局162ドル高の35,264ドルで取引を終え6日に付けた史上最高値(35,208ドル)を更新しています。また、S&P500株価指数も4ポイント高の4,436ポイントとなりこちらも6日に付けた史上最高値をわずかに上回っています。一方でハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は72ポイント安の14,788ポイントとなりました。
2.経済指標等
4-6月期の米労働生産性指数速報値は年率換算で前期比2.3%上昇に止まり市場予想を下回りました。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち8業種が上げ、エネルギーと素材、金融、資本財・サービスが1%以上上昇しました。一方で不動産と情報技術、ヘルスケアの3業種が下げ、不動産は1%余り下落しています。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄ではインフラ投資法案が米議会上院で可決したことでキャタピラー(CAT)が2%を超える上昇となり上昇率トップとなりました。また、ウォルマート(WMT)とダウ(DOW)、ウォルグリーンズ・ブーツ・アライアンス(WBA)、ゴールドマン・サックス(GS)も2%以上上げています。一方でハイテク株に売りが出るなかセールスフォース・ドットコム(CRM)が2%以上下げ下落率トップとなり、マイクロソフト(MSFT)やアップル(AAPL)も小幅に下げています。ダウ平均構成銘柄以外でもインフラ投資法案が米議会上院で可決したことでUSスチール(X)が5%近く上げています。さらに3Dプリンターの3Dシステムズ(DDD)が決算で売上高などが市場予想を上回ったことで急伸し21%余り上昇しています。
5.為替・金利等
長期金利は0.03%高い1.35%となりました。ドル円は110円台半ばで推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
本日の日本市場は米国市場でダウ平均が反発し史上最高値を更新したことから上昇してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が節目の28,000円を回復できるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)