東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は小幅に3日続伸となりました。66円高の27,887円で寄り付いた日経平均は直後に11円高の27,831円まで上げ幅を縮めた後切り返すと10時20分過ぎに308円高の28,128円まで上昇しましたが、10時40分過ぎから急速に上げ幅を縮めると85円高の27,905円で前場を終えました。
さらに上げ幅を縮め39円高の27,859円でスタートした後場の日経平均は13時30分ごろにマイナスに転じましたが、11円安の27,808円で下げ渋ると直ぐにプラスに戻し結局68円高の27,888円で取引を終えています。こうしたなか新興市場も高く東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均が揃って上昇となっています。
2.個別銘柄等
三井金属鉱業(5706)が8.8%高となりました。第1四半期決算を発表し電子回路基板向けの電解極薄銅箔の販売がスマホのパッケージ用途を中心に大きく伸びていることなどから通期の営業利益の見通しを360億円から510億円に上方修正したことで急伸となりました。大塚ホールディングス(4578)も5.4%高となりました。上期決算を発表しサプリメントや医薬品の販売が想定を上回ることから通期の事業利益の見通しを1900億円から2000億円に引き上げたことで大幅高となりました。
ホシザキ(6465)も上期決算を発表し新型コロナウイルス禍で低迷していた飲食店向けの需要が欧米で回復することなどから通期の営業利益の見通しを200億円から230億円に上方修正したことで3.3%高となりました。また、ホテル会員権の販売が好調で第1四半期の営業損益が黒字に転じたリゾートトラスト(4681)も8.2%高となったほか、コロワイド(7616)も大多数の店舗が休業を強いられた前年同期に比べて営業を継続できた店舗が多く第1四半期の事業損益が黒字となったことで9.3%高となりました。
さらに第一生命ホールディングス(8750)はオーストラリア金融大手のウエストパックグループの生命保険会社の買収を発表したことを材料に一時4.1%高となりました。一方でレーザーテック(6920)が一時8.3%安となりました。2022年6月期も半導体検査装置の販売が好調に推移することから営業増益が見込まれるものの、小幅な増益に止まり市場予想も下回ったことが嫌気されました。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は68円高となりました。米国市場でダウ平均が先週末と昨日の2日間トータルで小幅に上昇となったことから買いが優勢となりました。一時は300円以上上げ200日移動平均線(27,948円)や節目の28,000円を上回りましたが、朝方の買い一巡後に失速すると28,000円だけでなく200日移動平均線も下回って取引を終えました。
このところ200日移動平均線の回復に失敗する展開が何度か続いているだけに上値の重さが改めて意識されそうですが、こうしたなかで200日移動平均線を超えてさらに戻りを試すような展開がみられるかが今週もポイントとなりそうです。なお、決算発表も終盤ですが本日も引け後にはソフトバンクグループ(9984)などが決算を発表する予定です。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)