東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は大幅反発となりました。209円高の27,493円でスタートした日経平均は寄り付きを安値に上げ幅を広げると10時40分過ぎに489円高の27,773円まで上昇し458円高で前場を終えました。

一段高となり505円高の27,789円でスタートした後場の日経平均は13時40分前に551円高の27,834円まで上昇した後も高値圏で推移すると結局497円高の27,781円で取引を終えています。こうしたなか新興市場も堅調で東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均が揃って上昇となっています。

2.個別銘柄等

先週末の引け後に第1四半期決算を発表し通期の業績予想を上方修正した銘柄に大きく上げるものがみられました。新型コロナウイルスの拡大で在宅勤務が広がり家庭用プリンターの需要が増えていることなどから通期の営業利益の見通しを570億円から700億円に引き上げセイコーエプソン(6724)が5.8%高となったほか、国内外で自動車向けの排ガス浄化用部品やセンサーが好調な日本ガイシ(5333)も通期の営業利益の見通しを700億円から800億円に上方修正したことで8.0%高となりました。通期の営業利益の見通しを上方修正し減益予想が一転して増益予想となった日本化薬(4272)やヒロセ電機(6806)も高く、日本化薬が10.9%高、ヒロセ電機も5.0%高となりました。

また、通期予想は据え置いたものの第1四半期の結果を受けて大きく上昇するものもみられました。流通や金融向けのシステム構築などが伸びたことで第1四半期の営業損益が黒字に転換し赤字を見込んでいた市場予想を上回ったNEC(6701)が4.0%高となったうえ、製薬向けの医薬品材料や半導体用電子材料が伸びたことで第1四半期の事業利益が四半期ベースで過去最高となった味の素(2802)も6.9%高となり年初来高値を更新しています。

さらに先週末に通期予想の上方修正を受けて後場に急伸となった商船三井(9104)は本日も買いが続き10.6%高となり年初来高値を更新しました。先週末同様に日本郵船(9101)と川崎汽船(9107)も連れ高となりました。日本郵船が8.5%高、川崎汽船も9.1%高となり、日本郵船と川崎汽船も揃って年初来高値を更新しています。一方で鉄道利用者の回復の時期とペースが新型コロナウイルスの感染再拡大を受けて従来想定よりも遅くなるという見方からJR西日本(9021)が通期の営業損益の見通しを下方修正し一転して赤字となる見込みとなったことで3.9%安となりました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は497円高となりました。先週末の日本市場が大きく下げたことへの反動で買いが優勢となり、大きく上げ幅を広げたことで先週末の下げをほぼ取り戻す上昇となりました。そのため下値への警戒感も一旦後退しそうですが、先週の木曜日に続いて本日も200日移動平均線(27,845円)を前に伸び悩む展開となったことから200日移動平均線近辺での上値の重さが意識されそうで、こうしたなかで200日移動平均線を上回ってさらに戻りを試すような展開がみられるかがポイントとなりそうです。

なお、先週末が決算発表の集中日だったこともあり本日は決算を発表する企業も一旦減りますが、それでも引け後には塩野義製薬(4507)や三菱UFJフィナンシャルグループ(8306)などが決算を発表する予定です。また、日本時間の23時には7月の米ISM製造業景況感指数の発表が予定されています。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)