【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 35,084.53  △153.60 (7/29)
NASDAQ: 14,778.26  △15.68 (7/29)

1.概況

米国市場はGDPが市場予想を下回ったことで米連邦準備理事会(FRB)が早期にテーパリング(量的緩和の縮小)に動くとの観測が後退し上昇しました。55ドル高でスタートしたダウ平均は午後に一時240ドル高の35,171ドルまで上昇し一時26日に付けた史上最高値(35,144ドル)を上回るなど一日を通して堅調に推移すると結局153ドル高の35,084ドルで取引を終え3日ぶりに反発となっています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も15ポイント高の14,778ポイントと続伸となっています。

2.経済指標等

4-6月期の米実質GDP速報値は前期比年率換算で6.5%増に止まり市場予想を下回りました。また、先週一週間の米新規失業保険申請件数は前週比2万4000件減の40万件となりましたが市場予想ほど改善しませんでした。6月の中古住宅販売仮契約指数も前月比1.9%低下の112.8となり市場予想を下回っています。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち9業種が上げ、素材と金融が1%余り上昇したほか、エネルギーも1%近く上げています。一方でコミュニケーション・サービスと不動産の2業種が下げ、コミュニケーション・サービスは1%近く下落しました。

4.個別銘柄動向

ビデオ会議システムのズーム・ビデオ・コミュニケーションズ(ZM)が投資判断の引き上げを受けて4%を超える上昇となりました。市場予想を上回る決算を発表した半導体大手のクアルコム(QCOM)も6%高となったほか、決算が大幅な増収増益となり前日に大幅高となった半導体のアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)も買いが続き5%余り上げ上場来高値を更新しています。

一方で半導体製造装置のラムリサーチ(LRCX)が2%以上下げました。決算は市場予想を上回ったものの利益率が低下するとの見通しが嫌気されました。フェイスブック(FB)も4%安となりました。決算は市場予想を上回りましたが年後半の売上高の伸びが減速するとの見通しを示したことで売りが優勢となりました。また、取引終了後に決算を発表したアマゾン・ドット・コム(AMZN)は売上高が市場予想を下回ったことから時間外で大幅安となっています。さらにナスダック市場に上場したネット証券のロビンフッド・マーケッツ(HOOD)は公開価格と同じ38ドルで初値を付けると公開価格を下回り34.82ドルで取引を終えています。

5.為替・金利等

長期金利は0.04%高い1.27%となりました。ドル円は109円台半ば近辺で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国市場の上昇が小幅に止まったことから小動きでのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が続伸となり昨年の9月から続いている月末の株安というアノマリーを止めることができるかがポイントとなりそうです。また、本日は決算発表の集中日で多くの決算発表が予定されています。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)