東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は米国株安を受けて4日ぶりに大幅反落となりました。日経平均は295円安の27,674円で寄り付くと10時過ぎに160円安の27,809円まで戻しましたが、上値は重く下げ幅を広げると11時10分に395円安の27,574円まで下落し321円安の27,648円で前場を終えました。

316円安の27,653円でスタートした後場の日経平均は下げ幅を広げ14時20分過ぎに503円安の27,466円まで下落しましたが、その後引けにかけて持ち直すと結局388円安の27,581円で取引を終えています。こうしたなか新興市場も安く東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均が揃って下落となり、東証マザーズ指数は3.5%安と大きく下げています。

2.個別銘柄等

三菱自動車工業(7211)が8.4%高となりました。第1四半期の決算を発表し販売奨励金などの費用抑制や為替の円安が利益を押し上げることなどから通期の営業利益の見通しを300億円から400億円に引き上げたことで買いを集めました。日清製粉グループ本社(2002)も4.1%高となりました。同じく第1四半期の決算を発表し新型コロナウイルスの感染拡大の影響で前期に低迷していた都市部のコンビニエンスストアの中食・総菜の需要が回復することや、外食店など向けの業務用小麦粉の販売も前年を上回る見通しで通期の営業利益の見通しを282億円から292億円に引き上げたことが好感されました。

シマノ(7309)も4.2%高となり上場来高値を更新しました。上期の決算を発表し新型コロナウイルスの感染拡大で世界的に自転車や釣りへの関心が高まり欧米や新興市場での販売が好調に推移することから通期の営業利益の見通しを1050億円から1245億円に上方修正したことや、自社株買いを発表したこともあって大幅高となりました。一方で就労管理システムを手がけるアマノ(6436)が7.2%安となりました。大企業向けの就労管理システムが好調で第1四半期の純利益が前年同期比18.2%増となりましたが、通期予想に対する進捗率が4.5%に止まったことが嫌気されました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は388円安となりました。昨日の米国市場が利益確定の売りに押されて反落となったことから売りが優勢となりました。朝方の売り一巡後に下げ渋り200日移動平均線(27,782円)を上回る場面もありましたが、小幅に超えたところで上値が押さえられると下げ幅を広げ200日移動平均線を割り込んで取引を終えました。そのため下値への警戒感が改めて意識されそうですが、こうしたなかで明日以降も本日引けで上回った節目の27,500円を維持できるかがポイントとなりそうです。

なお、今週に入って決算を発表する企業も徐々に増えていますが本日も引け後には日立建機(6305)やアドバンテスト(6857)、日産(7201)などが決算を発表する予定で、28日の米国でもボーイング(BA)やフェイスブック(FB)などが決算発表を予定しています。また、日本時間の29日午前3時には米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果が発表される予定で注目されます。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)