「米アマゾンがBTC決済導入準備」報道でBTCは上昇基調に回復か

7月21日(水)から暗号資産市場が切り返し、堅調な相場が続いていました。何かしらの材料があるのかな、と思っていたところ、今朝方(7月26日の朝)、英City A.M.紙が関係筋の情報として、米アマゾンがBTCの決済導入準備をしていると報じました。

アマゾンからの正式な発表ではないので、期待感からの上昇ですが、この報道が否定されなければ、かなりのサプライズとなるでしょう。テスラやペイパルがBTC決済を導入したことも好感されましたが、アマゾンが導入となると、非常に大きなインパクトがあると思います。アマゾンの創業者ジェフ・ベゾス氏が個人的なベンチャーキャピタル(VC)ファンドにて、暗号資産決済サービスに投資をしていることも知られています。世界最大の電子商取引(EC)市場を持つアマゾンが暗号資産の決済導入に乗り出せば、他社も追随することが考えられます。

以前のコラムでお伝えした通り、過去のデータからETH(イーサリアム)の7月からの上昇相場入りは、12月まで上昇が断続的に続く傾向が見られます。今回の上昇はその条件に沿ったものかもしれません。

FOMC後の米国株式市場の動きに注目

【図表1】BTC/JPY日足
出所:MONEX TRADER CRYPTO(iPhoneアプリ)

では、BTC/JPY日足分析から見てみましょう。

上記の報道により、BTCは380万円から400万円近くまで上昇をしてきています(7月26日現在)。400万円を突破できれば、再びレンジが切り上がり、400-450万円のステージに回復するでしょう。そして450万円のネックラインを突破できれば、テクニカル的にはトリプルボトム完成となります。

今週は7月28日27時にFOMC(米連邦公開市場委員会)が予定されています。私はパウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長は8月下旬のジャクソンホール講演までハト派を貫くと予想しています。そして、米国株式市場は再びリスクオン方向に動き出し、上昇していくと思います。これは暗号資産市場にとってもポジティブな材料となるのでしょう。私は株価上昇により、新たな資金流入も見込めると考えていますので、暗号資産も上昇相場に回帰していくのではないでしょうか。

日足レベルではトリプルボトム完成を前提に、今週から買いトレードを再開していこうと思います。

飛び乗り買いで参入すべきか

【図表2】BTC/JPY 4時間足
出所:MONEX TRADER CRYPTO(iPhoneアプリ)

4時間足に時間軸を落とします。

直近安値の320-325万円から、ほぼ一直線で上昇してきました。おそらく海外のレバレッジ・ショートポジションは大半が捕まっていると思います。ショートカバーも時間の問題かも知れません。その理由としては、図表2の405-410万円ゾーン(ピンク色の線)に引けるレジスタンスラインにストップが貯まっている可能性があるからです。ここを突破するとショート勢は全滅すると思われます。この値動きで、相場の雰囲気と上昇トレンドの中期的な初動が完成するようにも思えます。ここを突破するのは、時間の問題かもしれません。

そして、押し目のタイミングもなかったことから、買い方もほとんど仕込めていないと思われます。よって、これから新規の買いが入ってくると考えますので、尚更押し目買いのチャンスは少ないと思います。

個人的にはかなり強気に転向しつつあります。今週の戦略としては、現状価格から打診買いレベルで成行注文を検討しています。引きつけるとしたら、(図表2)緑色のサポートラインが位置する、おおよそ380万円あたりからと考えています。

ETH/JPYも下降トレンドラインを上抜け

【図表3】ETH/JPY 日足
出所:MONEX TRADER CRYPTO(iPhoneアプリ)

ETH分析に移ります。

BTCチャートと同様に良好な形状をしてきました。私は今週もここからさらに上昇していくことを予想し、30万円価格回復を見込んでトレードをしていきたいと思っています。BTCと同じく、現状レベルでは打診買いを成行で入りたいところです。

押し目のタイミングは、7月27日以降、この下降トレンドラインレベルまで押すタイミングがあれば、ぜひ入りたいところです。価格的には23万円台からでしょうか。MACDは0.00ラインを上抜けそうです。陽転しますので、ここから始まるトレンドは長続きする傾向があります。

以前のコラムでお伝えした通り、8月1週目にETHの大型アップグレード「ロンドン」が実施されます。こちらもETHにとって2021年最大のアップデートの1つですので、市場もポジティブに反応する可能性があります。5-7月は大きな調整相場となりましたが、日足レベルでも再び上昇トレンドへの回帰が期待できるかもしれません。

まずは目先27万円台に引ける(図表3)緑色のレジスタンスラインを突破できるようなら、8月にも30万円台回復が見えてくるのではないでしょうか。

個人的には今週も変わらず、BTC、ETHともに買いトレードを進めていく予定です。FOMCにも注意が必要ですが、私は上述の通り、パウエルFRB議長の市場を落ち着かせる言動によって米国株式市場が緩やかに上昇し、暗号資産市場も上昇する、というシナリオで考えています。