東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は米国株安を受けて5日続落となりました。300円安の27,351円で寄り付いた日経平均は10時過ぎに322円安の27,330円まで下落しましたが、切り返すと大きく下げ幅を縮め88円安の27,564円と本日の高値で前場の取引を終えました。167円安の27,484円でスタートした後場の日経平均は13時20分に287円安の27,365円まで下落した後14時30分に160円安の27,492円まで戻しましたが、引けにかけて下げ幅を広げると結局264円安の27,388円で取引を終えています。こうしたなか新興市場も軟調で東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均が揃って下落となっています。

2.個別銘柄等

キヤノン(7751)が9.2%高となりました。在宅勤務などの広がりを背景にインクジェットプリンターの販売が伸びていることや、新型コロナウイルス禍で落ち込んだカメラなどの既存事業も急回復することなどから通期の営業利益の見通しを1980億円から2830億円に上方修正したことで急伸しました。セイコーエプソン(6724)やニコン(7731)にも買いが波及し、セイコーエプソンが5.2%高、ニコンが3.0%高となっています。抵抗器などの電子部品を手掛けるKOA(6999)も一時10.0%高となりました。産業機器向けの抵抗器の販売が日本や欧州地域で伸びたことや、想定より円安に振れたことなどもあり第1四半期の営業利益の見通しを10億円から19億円強に引き上げたことで買いを集めました。

また、投資判断や目標株価の引き上げに反応したのが住友林業(1911)やウエルシアホールディング(3141)で、住友林業が目標株価の引き上げを受けて一時2.5%高となり、ウエルシアホールディングも投資判断と目標株価の引き上げを受けて4.9%高となりました。一方で原油価格の下落を受けて石油関連株が安く、資源開発大手のINPEX(1605)が4.5%安となったほか、コスモエネルギーホールディングス(5021)も4.1%安となりました。さらに暗号資産であるビットコインが3万ドルを割り込んだことでビットコインを保有するスマホゲームのネクソン(3659)が一時2.0%安となりました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は264円安となりました。新型コロナウイルスの感染再拡大を嫌気して昨日の米国市場でダウ平均が720ドルを超す大幅な下落となったことから売りが優勢となりました。13日に一目均衡表の雲を上に抜け切れずその後下落基調が続き28,500円や28,000円、さらに200日移動平均線や27,500円といった節目を次々と割り込んできたことから下値への警戒感が引き続き強く意識されそうですが、昨日に2.1%安となり今年最大の下落率となったダウ平均に比べると下げ渋ったうえに、この5日間で1,300円以上も下げたこともあって明日以降の切り返しに期待したいところです。なお、日本市場でも決算発表がいよいよスタートしますが本日は引け後にディスコ(6146)が決算を発表する予定です。また、一足早く決算発表がスタートした米国では20日もネットフリックス(NFLX)などが決算を発表する予定です。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)