東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は米国株安を受けて4日続落となりました。339円安の27,663円でスタートした日経平均は取引開始から20分余りで210円安の27,792円まで持ち直しましたが、上値は重く下げ幅を広げると11時20分に509円安の27,493円まで下落し418円安の27,584円で前場を終えました。
342円安の27,660円でスタートした後場の日経平均は13時50分前に433円安の27,569円まで下落した後やや戻すと結局350円安の27,652円で取引を終えています。こうしたなか新興市場も安く東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均が揃って下落となっています。
2.個別銘柄等
JVCケンウッド(6632)が12.1%高となり年初来高値を更新しました。江口祥一郎社長が自動車向け音響システムや通信ドライブレコーダーなどの車載向けがけん引することで2024年3月期にも連結純利益を21年3月期の3.2倍の70億円にする計画を明らかにしたことが材料視されました。
ファーマフーズ(2929)も17.4%上昇しストップ高となりました。ロート(4527)と資本業務提携し高付加価値の新規育毛剤や機能性食品及びスキンケア製品の共同開発をすると発表したことで上昇して始まると9時30分に2021年7月期の業績予想を育毛剤ニューモなどのリピート購入が進んだことやコンビニ向け食品の受注が好調だったことなどから上方修正したことで一段高となりました。また、電動工具メーカーのマキタ(6586)が投資判断と目標株価の引き上げを受けて一時2.2%高となっています。
一方で新型コロナウイルスの感染拡大を受けて先週末の米国市場でデルタ航空(DAL)やアメリカン航空グループ(AAL)、ユナイテッド航空ホールディングス(UAL)などの空運株が大幅安となった流れを受けて日本航空(9201)やANAホールディングス(9202)が安く、日本航空が2.9%安となり、ANAホールディングスも2.7%安となりました。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は350円安となりました。先週末の米国市場がアジアを中心に世界で感染力の強いデルタ型の新型コロナウイルスの感染が広がっていることを嫌気し下落となりダウ平均が300ドル近く下げたことから売りが優勢となりました。節目の27,500円を小幅に割り込んだところでは下げ渋りましたが、200日移動平均線(27,672円)を小幅ながら割り込んだことで下値不安が高まりそうです。
しかし、4日間で1,000円以上も下げたことから明日以降の切り返しに期待したいところです。なお、米国市場では決算発表がスタートしていますが19日はIBM(IBM)などが決算を発表する予定です。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)