東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は一日を通して下げ幅を広げる展開で続落となりました。日経平均は69円安の28,539円で寄り付くと直後に36円安の28,571円まで持ち直しましたが、戻し切れないと下げ幅を広げ前引け間際に267円安の28,341円まで下落し264円安で前場を終えました。277円安の28,330円でスタートした後場の日経平均はさらに下げ幅を広げ大引け前に368円安の28,240円まで下落すると結局329円安の28,279円で取引を終えています。こうしたなか新興市場も安く東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均が揃って下落となっています。

2.個別銘柄等

サイゼリヤ(7581)が5.0%高となり年初来高値を更新しました。第3四半期の決算を発表し国内の新型コロナウイルスの感染拡大の影響長期化を見込んで通期の営業損益の見通しを7億円の赤字から25億円の赤字に下方修正しましたが、第3四半期3カ月間の営業赤字が第2四半期3カ月間の営業赤字に比べて大幅に縮小し大きな改善がみられたことで大幅高となりました。不二越(6474)も5.0%高となりました。第2四半期の決算を発表し自動車や建設機械、産業機械の需要回復を背景に、ベアリングや油圧機器など部品販売が伸びることなどから通期の営業利益の見通しを80億円から135億円に引き上げたことが好感されました。リソー教育(4714)も7.8%高となりました。3月から新規開校を積極化し5月末時点のグループ全体の生徒数が前年に比べ大きく増えたことなどから2022年2月期の業績予想を上方修正したことで買いを集めました。

また、目標株価の引き上げに反応したのが河合楽器製作所(7952)や住友林業(1911)で、河合楽器製作所が一時9.3%高となったほか、住友林業も一時2.8%高となり、河合楽器製作所は年初来高値を更新しています。

一方でジンズホールディングス(3046)が6.8%安となりました。第3四半期決算を発表し新型コロナウイルスの感染再拡大を受け東京都に4回目の緊急事態宣言が発令された影響を踏まえ通期の営業利益の見通しを82億円から57億円に下方修正したことで売りがかさみました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は329円安となりました。昨日の米国市場が小幅に高安まちまちとなり新たな買い材料に乏しいなかで売りが優勢となりました。12日と13日の2日間で800円近く上げた後で一旦利益確定の売りが出るのも当然だといえますが、13日に一目均衡表の雲を上に抜け切れずその後下げが続いていることや、節目の28,500円を割り込んで下げ幅を広げたこともあって下値への警戒感がやや意識されそうです。

なお、小売り企業の決算発表が本格化していますが本日も引け後にファーストリテイリング(9983)が決算を発表する予定で、15日の米国でもモルガン・スタンレー(MS)、ユナイテッドヘルス・グループ(UNH)などが決算発表を予定しています。また、日本時間の21時30分には米新規失業保険申請件数や7月の米ニューヨーク連銀製造業景況指数、7月の米フィラデルフィア連銀製造業景況指数などが発表されるほか、22時15分には6月の米鉱工業生産指数と設備稼働率が発表される予定です。さらに金融政策に変更はないとみられますが明日は昼頃に日銀の金融政策決定会合の結果が発表される予定で注目されます。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)