S&P500の驚くべき上昇を踏まえ、再び2021年末のターゲットを4,500ポイントに上方修正


米国株価指数は2021年に入り、史上最高値を更新し続けています。この勢いには私も正直驚いています。S&P500についても、私の2021年末のターゲットであった4,300ポイントを既に達成してしまいました。私がこのターゲットを出した時に言っていたのは、「もしこの予想にリスクがあるとすれば、それは私の予想が控えめであり、年末より前にこのターゲットに達するかもしれない」ということでした。

これを受けて、年末のS&P500のターゲットを4,500ポイントに上方修正します。これは2022年のトップダウン予想EPSである213ドルの21倍であり、2023年の236ドルの19倍となります。
これにより2021年のS&P500のリターンは20%程度になるということです。
 
ここまで株価が上昇してきたのは、企業業績の上方修正によるところが多いと考えます。私が5月17日付のコラムでS&P500のターゲットを、今までの4,150ポイントから4,300ポイントへ引き上げるとお伝えしました。その時点のS&P500の第2四半期の業績予想は、前年同期比で58%の増益予想でしたが、現時点では64%の増益予想に上方修正されています。2022年通年で見ても前年比33%の増益予想だったのが、現在36%の増益予想に上方修正されています。

米国株は堅調な企業業績にサポートされ、上昇しています。つまり、ファンダメンタルズの裏付けがあっての上昇ということです。

9月、10月に調整、そして年末に向けて再び上昇のシナリオ

私の今後のシナリオは、今週から本格化する第2四半期の業績シーズンでは個別企業の決算発表に一喜一憂するものの、今回も全体的には事前予想を上回り、通過できるのではないかというものです。

その後の市場は季節的に弱い9月、10月辺りにそれなりの調整を経て、その後12月末に向けて株価は上昇を開始する流れになると見ています。それなりの調整というのは、5~10%程度の調整ですが、これは市場の大きな流れを変えるものではなく、あくまでも想定の範囲内での市場の調整です。読者の皆さんはお分かりかと思いますが、米国株式市場が史上最高値を更新するここまでの道のりで、この程度の調整はとても普通のことであり、健全であり、かつ引き続き市場が上昇するにあたって必要なことです。

マーケットのリスク、言い換えると、そういった調整のきっかけとして考えられるのは、インフレに対する懸念の再浮上からくる金利の急上昇、企業業績が市場の事前予想を下回ること、などが考えられます。 

本格化する第2四半期の企業業績発表

米国の第2四半期の決算発表ですが今週から本格化し、7月25日の週に今回の決算シーズンのピークを迎えることになります。

【図表】S&P500 決算カレンダー 2021年第2四半期
出所:ブルームバーグよりマネックス証券作成

今週はS&P500社のうち23の企業が決算発表を行う予定になっています。大所としては、7月13日に発表される予定になっているペプシコ(PEP)、JPモルガン(JPM)、ゴールドマンサックス(GS)、7月14日のバンク・オブ・アメリカ(BAC)、デルタ航空(DAL)などが挙げられます。

注視すべきは、もちろん今回の決算発表の内容ですが、企業による今後の見通しについてのガイダンス発表でしょう。