7月3日(日本時間)、BTC(ビットコイン)の採掘難易度(ディフィカルティ―)調整が行われ、-27%前後という過去最大の調整となりました。

【図表1】
出所:Blockchain.com

中国ビットコイン採掘の取り締まり強化

中国のマイニング工場はほとんど操業停止となったのでしょう。筆者の中国マイナーの友人たちは、「しばらく再稼働はなさそうだ」と話しています。しかし、マイニング工場の操業停止に対しては、地元から地方政府向けにかなり強い要望が出ているようです。

中国では地方自治体が土地を用意して、無償貸与が多く、有能な若い経営者と資本を呼び込み、工場建設→雇用増大→納税額増加といったことが行われていますが、中国はやはりスケールが違います。筆者の友人も膨大な土地を無償で借り入れて小さなマイニング工場を建設しています。有能な若者には、惜しみなく投資をするのが中国のやり方のようです。

何はともあれ、ブロックチェーンとマイニングは切っても切り離されない存在です。友人たちも、「いずれまた再開されるだろう」という見方をしています。再開の目処や中国政府のBTC投資へのスタンスに軟化姿勢が見られるようになれば、再び価格が上昇しはじめるのではないでしょうか。

今回の中国の取り締まり強化は、BTCネットワーク全体にとって痛手でしたが、市場はすでに織り込み済みで膿は出し切ったように考えています。それに、マイニングエリアが世界各地へと分散化が進んだという視点では、ポジティブに捉えて良いと思います。

BTCは値固め相場続くが、緩やかにボトムアウトか

【図表2】BTC/JPY日足
出所:MONEX TRADER CRYPTO(iPhoneアプリ)

320万円〜450万円ゾーンでの停滞は変わらない状況です。先日からプライスレベルは同じで、再び方向感を失いかけています。

テクニカル的にも、ボリンジャーバンドが一時的にエクスパンションしかけており、バンド幅が少しずつ拡大しかけましたが、先日から再びスクイーズ傾向にあります。まだエクスパンションしても息切れするでしょうから、個人的には、今一度スクイーズし、ボリンジャーバンド中心線付近でおとなしく推移することを期待したいところです。

MACDも0.00付近で停滞し始めていますので、もうしばらく停滞期間が続きそうです。ただし、上方向への目線は変えません。

では、4時間足で今週の押し目買いの目処を見ていきたいと思います。

トレンドラインからの押し目買い

【図表3】BTC/JPY 4時間足
出所:MONEX TRADER CRYPTO(iPhoneアプリ)

三角持ち合いは、アセンディングトライアングルです。強気形状と捉えて良いのではないでしょうか。

ざっと、トレンドラインの押し目買い水準は378-380万円付近です。かなり近い距離ですが、強気で検討するなら、この水準からのエントリーではないでしょうか。

また水平線を引いて、深い押し目買いを狙うなら、365万円前後が先日の際立った安値です。この手前からの指値注文も念の為入れておく程度で検討すると良いかもしれません。

アセンディングトライアングル形状が完成となれば、早ければ今週前半に先週高値の404万円を超えていくことも考えられます。

その場合は、再び450万円方向、レンジも400-450万円に切り上がると予想します。ステージ切り上げを期待して、買いポジションは継続と考えています。

ETHはボトムを脱したか

【図表4】ETH/JPY 日足
出所:MONEX TRADER CRYPTO(iPhoneアプリ)

ETH/JPY日足分析に移ります。

安値は19万円前後とダブルボトムを形成中です。再び19万円にトライしてしまうと、ディセンディングトライアングル形状になりますので、割り込めば、急落してしまいそうです。

しかし先週、ETHはBTCよりも上昇率が高かっただけに、個人的にはボトムアウトしたのではないかと考えています。

本コラムで7月中旬からの買いポジションを作っておくように述べてきましたが、そろそろ準備が必要になりそうです。少し早いですが、深い押し目買いを狙い、指値注文を打診買い程度に模索していきたいところです。

4時間足でそのタイミングを探っていきましょう。

並行チャネル形成をはじめた?

【図表5】ETH/JPY 4時間足
出所:MONEX TRADER CRYPTO(iPhoneアプリ)

4時間足に時間軸を落とします。

少し意外でしたが、平行チャネルが引けました。もしかしたら、このゾーンでリズムよく上昇相場に転じるのかもしれません。そうなると最初の押し目買いは、下限ラインです。おおよそ24万円台後半からでしょうか。

現状価格から4-5%ほど下落したポイントからの買いを狙えれば良さそうです。この水準ではかなりライトなエントリーからで、メインエントリーは直近安値の22万5000円手前としたいと思います。

こちらはどちらかというと来週あたりに深い押し目を形成して、この水準に差し掛かったら買いエントリー、というように2-3週間ベースで狙った指値注文をセットしておくイメージです。

ETH(イーサリアム)は2017年、2020年ともに7月中旬を起点に、大きな上昇トレンドに発展しました。この経験があるので、7月は個人的に思い入れが強い時期でもあります。
一種のアノマリートレードですが、ETH大型アップデートであるロンドンハードフォークを7月末に控えていることもあり、ファンダメンタルズも良好です。

現在まで、BTC主体のポートフォリオでしたが、7月は少しずつETHの比率を上げて、1:1ぐらいに持っていく予定です。相場目線は先週と変わらず、買いのイメージを継続としています。