【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 34,786.35  △152.82 (7/2)
NASDAQ: 14,639.33  △116.95 (7/2)

1.概況

先週末の米国市場は米雇用統計の結果を受けて長期金利が低下したことでハイテク株に買いが入り主要3指数が揃って史上最高値を更新しました。8ドル高でスタートしたダウ平均は朝方にマイナスとなる場面もありましたが、20ドル安で下げ渋ると持ち直し上げ幅を広げ取引終盤には188ドル高まで上昇しました。その後引けにかけてやや上げ幅を縮めたダウ平均ですが結局152ドル高の34,786ドルと4日続伸となり5月7日に付けた史上最高値(34,777ドル)を更新して取引を終えています。また、S&P500株価指数も32ポイント高の4,352ポイントとなり7日連続で史上最高値を更新しています。さらにハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も116ポイント高の14,639ポイントと続伸となり6月29日に付けた史上最高値(14,528ポイント)を上回っています。

2.経済指標等

6月の米雇用統計で非農業部門雇用者数は前月比85万人増と5月の58万3000人から伸びが加速し市場予想も上回りました。失業率は5.9%と前月から0.1ポイント上昇し改善を見込んでいた市場予想に反し悪化しました。また、5月の米製造業受注は前月比1.7%増となり市場予想を上回りました。さらに5月の米貿易収支の赤字額は712億ドルとなっています。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち9業種が上げ、情報技術と一般消費財・サービスが1%以上上昇したほか、コミュニケーション・サービスも1%近く上げました。一方で金融とエネルギーの2業種が下げています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄ではハイテク株に買いが入るなかマイクロソフト(MSFT)が2%以上上げ上昇率トップとなったほか、アップル(AAPL)も2%近く上げマイクロソフトに次ぐ上昇率となりました。一方で社長の退任を発表したIBM(IBM)が4%以上下げ下落率トップとなりました。ダウ平均構成銘柄以外でも主力ハイテク株の上昇が目立ちグーグルの持ち株会社であるアルファベット(GOOGL)が2%を超える上昇となり上場来高値を更新し、画像処理半導体のエヌビディア(NVDA)も1%以上上げ上場来高値を更新しました。また、アマゾン・ドット・コム(AMZN)も2%を上回る上昇となっています。

5.為替・金利等

先週末の長期金利は独立記念日の前営業日で短縮取引となるなか米雇用統計で雇用者数の伸びが市場予想を上回った一方で、失業率が悪化したことなどから米連邦準備理事会(FRB)がテーパリング(量的緩和の縮小)を急ぐほどの内容ではないと見方が強まり0.03%低い1.42%となりました。ドル円は111円近辺で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国株高を受けて堅調なスタートが予想されます。こうしたなか日経平均がどこまで上値を伸ばせるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)