東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は続落となりました。日経平均は120円安の28,927円で寄り付くと直後に96円安の28,951円までやや戻しましたが、上値は重く下げ幅を広げると取引開始から5分余りで312円安の28,735円まで下落しました。その後9時30分過ぎに181円安の28,866円まで持ち直す場面もありましたが、再び下げ幅を広げると256円安の28,791円で前場を終えました。285円安の28,762円でスタートした後場の日経平均は13時前に312円安の28,735円まで下落した後下げ幅を縮め大引け間際に233円安の28,814円まで持ち直すと結局235円安の28,812円で取引を終えています。こうしたなか新興市場も安く東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均が揃って下落となっています。

2.個別銘柄等

しまむら(8227)が4.7%高となりました。プライベートブランドの婦人服や寝具が好調で既存店売上高が伸びたことや、在庫管理の徹底で値引き販売や在庫のだぶつきを減らし採算が改善したこともあって純利益が第1四半期として過去最高となったことで買いを集めました。旅行のガイドブックなどを手掛ける昭文社ホールディングス(9475)も9.1%高となりました。蓄電システムを手がける企業と資本業務提携し2022年夏にも蓄電システムの販売を始めると伝わったことが材料視されました。また、投資判断と目標株価の引き上げに反応したのが牧野フライス(6135)やシスメックス(6869)などで、牧野フライスが一時3.1%高となったほか、シスメックスも5.2%高となっています。一方で開発が遅れているボーイング(BA)の次世代大型機の777Xについて米連邦航空局の承認が2023年半ばから後半になる見込みと伝わったことで航空機関連株が安く、航空機用内装品を手掛けるジャムコ(7408)が4.4%安となったほか、三菱重工業(7011)が3.7%安、IHI(7013)も3.0%安となっています。

マザーズ市場ではメルカリ(4385)も一時5.1%安となりました。借入金の返済や米国事業の人材採用、マーケティング費用などに充てるためユーロ円建て新株予約権付社債(転換社債)の発行で500億円を調達すると発表したことで将来的な株主価値の希薄化懸念から売りが優勢となりました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は235円安となりました。昨日の米国市場で景気敏感株に売りが出てダウ平均が反落となったことから売りが優勢となり節目の29,000円を割り込みました。節目の29,000円を上回ってくると押し返される展開が続いていることから29,000円を超えたところでの上値の重さが強く意識されそうで、一目均衡表の雲の上限(28,935円)も割り込んだことから先高期待がやや後退しそうです。こうしたなかで9ヶ月連続で下落となっている月末を明日迎えることになりますが、月末の株安というアノマリーが続くのか、それとも明日でこれまでの流れを断ち切ることができるかが注目されます。

なお、小売り企業を中心とした2月決算企業の第1四半期決算発表がスタートしていますが、本日も引け後にJ.フロント リテイリング(3086)やスギホールディングス(7649)などが決算を発表する予定です。また、日本時間の23時には6月の米コンファレンスボード消費者信頼感指数の発表が予定されています。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)