【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 34,033.67 ▼265.66 (6/16)
NASDAQ: 14,039.68 ▼33.17 (6/16)
1.概況
米国市場はFOMC参加者の政策金利の見通しが2023年中の利上げ開始を示唆する内容となったことで続落となりました。9ドル高でスタートしたダウ平均は直後に33ドル高まで上昇しましたが、FOMCの結果発表を午後に控え様子見となり買いが続かず直ぐにマイナスに転じるとしばらくは小幅安で推移しました。しかし、FOMCの結果発表を受けて下げ幅を広げると一時は382ドル安まで下落しました。その後一旦持ち直し150ドル安程度まで下げ幅を縮めたダウ平均ですが引けにかけて再び下げ幅を広げると結局265ドル安の34,033ドルで取引を終え3日続落となっています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も33ポイント安の14,039ポイントと続落となりました。
2.経済指標等
米連邦公開市場委員会(FOMC)は金融政策の現状維持を決めました。しかし、参加者の2023年末時点での政策金利の見通しが前回の0.125%から0.625%に引き上げられ2023年に2回の利上げを想定する内容となりました。また、パウエル議長は会合後の記者会見で資産購入策の縮小(テーパリング)について議論することを決めたと述べています。さらに5月の米輸入物価指数は前月比1.1%上昇し市場予想を上回りました。米輸出物価指数も前月比2.2%上昇し市場予想を上回っています。一方で5月の米住宅着工件数は年率換算で前月比3.6%増の157万2000戸に止まり市場予想を下回りました。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち一般消費財・サービスを除く10業種が下げました。そのなかでも公益事業と生活必需品、素材が1%を超える下落となったほか、資本財・サービスも1%近く下げています。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄は30銘柄中26銘柄が下げました。そのなかでもダウ(DOW)とウォルマート(WMT)が2%以上下落したほか、スリーエム(MMM)とボーイング(BA)、ウォルグリーンズ・ブーツ・アライアンス(WBA)も1%台後半の下落となりました。一方でメルク(MRK)が1%を超える上昇となり、ジョンソン・エンド・ジョンソン(JNJ)とアップル(AAPL)、ナイキ(NKE)も小幅に上げています。ダウ平均構成銘柄以外では、オラクル(ORCL)が6-8月期の利益見通しが市場予想を下回ったことで5%を上回る下落となりました。ゼネラル・モーターズ(GM)は2020から2025年の電気自動車と自動運転車に関する投資額を従来計画から3割増やすと発表したことで1%以上上げています。
5.為替・金利等
長期金利はFOMCの結果を受けて0.08%高い1.57%となりました。こうしたなかドル円では円安が進み110円台後半で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
米国市場が下落となった一方でドル円が円安となるなど材料が強弱入り混じる格好となっていることから本日の日本市場は小動きでのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均はドル円などの動向をにらみながらの展開となりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)