東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は大幅反落となりました。日経平均は129円安の29,019円で寄り付くとまもなくして1円安の29,147円まで持ち直しましたが、戻し切れないと下げ幅を広げ10時40分過ぎに245円安の28,903円まで下落し220円安で前場を終えました。さらに下げ幅を広げ295円安の28,854円でスタートした後場の日経平均は14時前に357円安の28,791円まで下落した後やや戻すと結局289円安の28,860円で取引を終えています。一方で新興市場は堅調で東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均が揃って上昇となっています。

2.個別銘柄等

ルネサスエレクトロニクス(6723)が5.5%安となりました。公募増資などで最大2185億円を調達すると発表したことで需給悪化や1株利益の希薄化を嫌気した売りが出て大幅安となりました。三菱総合研究所(3636)も7.6%安となり年初来安値を更新しました。キリンホールディングス(2503)や三菱製鋼(5632)など三菱グループの「金曜会」に所属する企業12社が三菱総合研究所の普通株式155万6600株を売り出すと発表したことで需給悪化を懸念した売りが出ました。ダイフク(6383)も国内大手証券が目標株価と投資判断を引き下げたことで3.4%安となり年初来安値を更新しています。一方でラウンドワン(4680)は国内大手証券が目標株価を引き上げたことで2.9%高となり年初来高値を更新しています。また、先週末の米国市場で半導体株の一角が大幅高となったこともあって日本市場でも半導体関連株が堅調で、なかでもレーザーテック(6920)は5.9%高と6日続伸となり初めて2万円台に乗せています。

マザーズ市場では貸会議室大手のティーケーピー(3479)が4.6%高となりました。コロナ収束後の貸会議室利用回復につなげるために全国の貸会議室約250施設を新型コロナウイルスワクチン接種会場として企業などに無償提供する方針を明らかにしたことが材料視されました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は289円安となりました。先週末の米国市場が小幅な上昇に止まるなか先週末に600円も上げた反動で売りが優勢となりました。また、節目の29,000円を回復したこともあって戻り待ちの売りも出やすかったといえますが、昨年の9月以降先月まで8カ月連続で日経平均が月末に下落となっていたことも警戒されたのかもしれません。こうしたなかで仮に下げが続いた場合には25日移動平均線(28,640円)を維持できるかがポイントとなりそうで、反対に反発した場合には本日割り込んだ100日移動平均線(28,988円)や29,000円を回復できるかがポイントとなりそうです。なお、今晩の米国市場はメモリアルデーの祝日で休場となります。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)