東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は米国株安を受けて反落となりました。375円安の28,031円で寄り付いた日経平均は取引開始から10分弱で563円安の27,842円まで下落した後10時10分過ぎに190円安の28,216円まで持ち直しましたが、再び下げ幅を広げると398円安の28,008円で前場を終えました。445円安の27,961円でスタートした後場の日経平均は暗号資産のビットコインが大幅安となり40,000ドルを割り込んだことから13時40分ごろから下げ幅を広げ13時50分前に558円安の27,848円まで下落しましたが、その後引けにかけて持ち直すと結局362円安の28,044円で取引を終えています。一方で新興市場は堅調で東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均が揃って上昇し、東証マザーズ指数は2.1%高となっています。

2.個別銘柄等

三菱ケミカルホールディングス(4188)が一時4.4%高となり年初来高値を更新しました。傘下の田辺三菱製薬のカナダ子会社であるメディカゴと英グラクソ・スミスクラインが植物由来の成分を使った新型コロナウイルスワクチンの第2相試験で回復中の患者の10倍の中和抗体応答が見られたとの中間結果を発表したことで買いを集めました。日本製鋼所(5631)も4.7%高となりました。三菱ケミカルホールディングスとともに次世代の半導体材料として注目される窒化ガリウム基板の量産に向けた実証設備の建設を始めたと発表したことが材料視されました。三菱UFJフィナンシャルグループ(8306)も一時2.5%高となりました。17日に発表した決算で2022年3月期の業績見通しが市場予想を上回ったことを評価した買いが続き5日続伸となりました。

一方で国内大手証券が目標株価を引き下げたことで日産(7201)が3.2%安となったほか、イオン(8267)も同じく国内大手証券が目標株価を引き下げたことで2.1%安となっています。また、4月の米住宅着工件数が前月比9.5%減となり市場予想を下回ったことから米国で分譲戸建て住宅事業を手掛ける住友林業(1911)が一時2.7%安となりました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は362円安となりました。米住宅着工件数が市場予想を下回ったことで景気敏感株の一角に売りが出て昨日の米国市場が続落となったことで売りが優勢となりました。節目の28,000円を割り込む場面もありましたが、28,000円を割り込んだところでは押し目買いもみられ下げ幅を縮めました。本日はなんとか28,000円を上回って取引を終え28,000円近辺での底堅さをみせましたが、下値への不安も残るなかで明日以降も28,000円を維持できるかがポイントとなりそうです。なお、日本時間の20日の午前3時に4月開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨が公表される予定で注目されます。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)