【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 33,503.57  △57.31 (4/8)
NASDAQ: 13,829.31  △140.47 (4/8)

1.概況

米国市場は米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長が金融緩和策を当面維持する姿勢を示したことにより長期金利が低下したことを受けてハイテク株に買いが入り上昇し、S&P500株価指数が史上最高値を更新しました。23ドル高でスタートしたダウ平均は取引開始直後にマイナスに転じると103ドルまで下落しましたが、徐々に下げ幅を縮めると昼過ぎからしばらく前日終値を挟んで小幅に揉み合いました。しかし、取引終盤にかけて買いが優勢になると結局57ドル高の33,503ドルで取引を終え続伸となっています。また、S&P500株価指数も17ポイント高の4,097ポイントと続伸し前日に続いて史上最高値を更新しました。さらにハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も140ポイント高の13,829ポイントと3日ぶりに反発となっています。

2.経済指標等

先週一週間の米新規失業保険申請件数は前週比1万6000件増の74万4000件となり改善を見込んでいた市場予想に反し悪化しました。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち情報技術や一般消費財・サービス、資本財・サービスなどの6業種が上げ、情報技術は1%を超える上昇となりました。一方でエネルギーや不動産、公益事業などの5業種が下げ、エネルギーは1%以上下落しています。

4.個別銘柄動向

長期金利の低下を受けてハイテク株が買われるなかアップル(AAPL)が2%近く上げダウ平均構成銘柄で上昇率トップとなったほか、電気自動車のテスラ(TSLA)も2%近く上昇しています。また、マイクロソフト(MSFT)や動画配信のネットフリックス(NFLX)も1%を超える上昇となり、マイクロソフトは上場来高値を更新しました。半導体株ではアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)やマイクロン・テクノロジー(MU)、エヌビディア(NVDA)などが1%以上上げています。また、代替肉のビヨンド・ミート(BYND)が大手スーパー向けの製品供給を拡大すると発表したことで3%以上上昇しています。一方でゼネラル・モーターズ(GM)が半導体の不足を理由に北米で新たに3工場の操業を停止する見通しを示したことで1%余り下げています。

5.為替・金利等

長期金利は0.05%低い1.62%となりました。ドル円は円高に振れ109円台前半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国株高を受けて買い優勢でのスタートが予想されます。ドル円が円高となるなかで日経平均がどこまで上値を伸ばせるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)