【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 33,066.96  ▼104.41 (3/30)
NASDAQ: 13,045.39  ▼14.25 (3/30)

1.概況

米国市場は総額4兆ドル規模に膨らむとみられるインフラ投資を中心とした新たな経済対策の発表を31日に控えて長期金利が一時1年2ヶ月ぶりの水準に上昇したことでハイテク株に売りが出て下落となりました。43ドル安でスタートしたダウ平均は昼過ぎに182ドル安まで下落するなど一日を通して軟調に推移すると結局104ドル安の33,066ドルで取引を終え4日ぶりに反落となっています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も14ポイント安の13,045ポイントと続落となっています。

2.経済指標等

1月の米S&Pコアロジック・ケース・シラー住宅価格指数で20都市圏住宅価格指数は前年同月比11.1%上昇しました。3月の米コンファレンスボード消費者信頼感指数も109.7と前月から上昇し市場予想を上回っています。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち8業種が下げ、生活必需品が1%以上下落したほか、情報技術と公益事業、ヘルスケアも1%近く下げています。一方で一般消費財・サービスと金融、資本財・サービスの3業種が上げています。

4.個別銘柄動向

ハイテク株に売りが出るなかマイクロソフト(MSFT)やアップル(AAPL)、インテル(INTC)が1%以上下げたほか、フェイスブック(FB)も1%近く下落しました。また、半導体株ではブロードコム(AVGO)が3%以上下落し、アドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)も1%を超える下げとなっています。一方で長期金利が一時1年2ヶ月ぶりの水準に上昇したことを受けてゴールドマン・サックス(GS)が2%近く上げダウ平均構成銘柄で上昇率トップとなり、JPモルガン・チェース(JPM)も1%を上回る上昇となっています。また、ウェルズ・ファーゴ(WFC)は米投資会社アルケゴス・キャピタル・マネジメントの持ち高解消に関連する取引で損失が発生しなかったと発表したこともあって2%を超える上昇となっています。さらに口コミ情報サイトのイェルプ(YELP)は投資判断と目標株価の引き上げを受けて3%以上上げています。動画配信機器のロク(ROKU)も投資判断の引き上げを受けて3%以上上昇しました。

5.為替・金利等

長期金利は0.01%低い1.70%となりました。一時1.77%を付け1年2ヶ月ぶりの水準に上昇する場面がありました。ドル円では円安が進み110円台前半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国株安を受けて下落してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が25日移動平均線(昨日時点で29,355円)を維持できるかがポイントとなりそうです。また、本日は日本時間の10時に中国の製造業と非製造業の購買担当者景気指数(PMI)が発表される予定で注目されます。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)