【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 33,171.37  △98.49 (3/29)
NASDAQ: 13,059.65  ▼79.08 (3/29)

1.概況

米国市場は高安まちまちとなりました。ダウ平均はバイデン米大統領が4月19日までに米国民の大人の90%が新型コロナウイルスのワクチンの接種を受けられるようになるとの見通しを示したことでワクチン普及への期待から3日続伸となり史上最高値を更新しましたが、ハイテク株の一角に売りが出てS&P500株価指数とナスダック総合株価指数は3日ぶりに反落となりました。14ドル高と上昇してスタートしたダウ平均はまもなくして売りが優勢になると167ドル安まで下落しましたが、持ち直し昼過ぎにプラスに転じると取引終盤には186ドル高まで上昇しました。その後引けにかけてやや上げ幅を縮めたダウ平均ですが結局98ドル高の33,171ドルで取引を終え先週末に続いて史上最高値を更新しています。

一方でS&P500株価指数が3ポイント安の3,971ポイントとなったほか、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も79ポイント安の13,059ポイントとなっています。

2.経済指標等

主要な経済指標の発表はありませんでした。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち6業種が下げ、エネルギーが1%以上下落し、金融も1%近く下げています。一方で5業種が上げ、公益事業と生活必需品、コミュニケーション・サービスが1%余り上昇しています。

4.個別銘柄動向

サウスウエスト航空(LUV)が主力小型機737MAXを100機購入することで合意したと発表したことでボーイング(BA)が2%以上上げダウ平均構成銘柄で上昇率トップとなりました。また、フェイスブック(FB)が目標株価の引き上げを受けて3%近く上げたほか、ツイッター(TWTR)も投資判断の引き上げを受けて3%近く上昇しています。

一方で米投資会社のアルケゴス・キャピタル・マネジメントが保有株の下落で打撃を受け大規模な投げ売りを行ったと伝わったことで金融機関の損失が警戒されるなか、JPモルガン・チェース(JPM)が1%を以上下げダウ平均構成銘柄で下落率トップとなり、モルガン・スタンレー(MS)も2%以上下落しています。さらにアルケゴス・キャピタル・マネジメントが保有する株式を投げ売りしたと伝わったメディア大手のバイアコムCBS(VIAC)も6%以上下げています。

5.為替・金利等

長期金利は0.04%高い1.71%となりました。ドル円は109円台後半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

昨日の米国市場でダウ平均が史上最高値を更新したものの、配当落ちの影響もあって本日の日本市場はやや売り優勢でのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が180円弱とみられる配当落ちをどれだけ埋められるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)