前々回の記事と前回の記事では、自分が投資したい条件に合った企業を探すためのスクリーニング機能をご紹介しました。その中で、様々な項目で絞り込みができるスクリーニングの基本的な仕組みと、業種・時価総額を使った活用方法について解説しました。
今回はより多くの項目を活かして、いかに効率良く銘柄を探していくかを考えていきたいと思います。スクリーニング機能では非常に多くの項目で銘柄を絞り込むことができます。しかし、数が多過ぎると、かえってとっつきにくくなってしまうケースもあるからです。
重要な項目を整理
まずは、重要な項目について整理してみましょう。これらは銘柄を探す際に多くの投資家が気にするポイントだと思います。これらの項目を組み合わせるだけで、自分が投資したいような銘柄をかなりの程度まで絞り込むことが可能になります。例えば、前回の記事で触れました「食料品」業種の中から小型で割安な企業を探してみましょう。
以下のように項目を設定します。「取引所」、「業種」、「時価総額」は前回の記事と同様で、それに「PER(予想)」と「PBR」を加えています。利益水準と会社資産に対して割安かどうかを合わせて確認しようということです。この時、最初に入力する際には数値条件は入力しなくても大丈夫です。むしろ、入力せずに対象の企業の水準を見るほうが、スクリーニングしやすいと思います。
マネックス証券のスクリーニング機能では、スクリーンの右側にその時点で絞り込まれた「該当銘柄数」が表示されるようになっています。今回の場合、PERとPBRは数値を入力しなくとも72銘柄まで絞り込まれているため、確認する上で数が多過ぎることはないと思います(2021年3月19日時点)。
この状態で検索すると、以下のようなリストが出ます。
このように対象の72銘柄の指標を一覧できます。
PER・PBRから分かること
PERは株価が1年の利益(この場合は予想なので、通常は現在進行中の年度の1年の利益)の何倍かという指標です。例えばPERが10(倍)ということは、企業の価値はその企業の利益の10年分ということです。つまり、この数字が小さいほど割安であると考えられます。
PBRは株価がその株あたりの資産の何倍かという指標です。例えばPBRが1(倍)ということは、企業の保有する資産(正確には会社資産から負債を差し引いたもの)の価値と、その企業の株式の価値が同じであるということです。つまり、この数字が小さいほど割安と言えるでしょう。
では、次回はこの表を見ながら、食料品業界の面白い銘柄をどのように探していくかを確認していきましょう。