【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 33,015.37 △189.42 ( 3/17 )
NASDAQ: 13,525.20 △53.64 ( 3/17 )
1.概況
米国市場はFOMCで2023年末まで現行のゼロ金利政策を続けるとの見通しが示されたことを好感して上昇しました。ほぼ横ばいでスタートしたダウ平均は朝方に130ドル高近くまで上昇した後上げ幅を縮めるとマイナスに転じ43ドル安まで下落しましたが、持ち直すと昼過ぎには140ドル高程度まで再び上昇しました。
その後FOMCの結果発表を控え様子見となり上げ幅を30ドル高程度まで縮めましたが、FOMCの結果発表を受けて急速に上げ幅を広げると結局189ドル高の33,015ドルで取引を終え、初めて33,000ドル台に乗せ15日に付けた史上最高値(32,953ドル)を更新しています。また、S&P500株価指数も11ポイント高の3,974ポイントとなりこちらも15日に付けた史上最高値(3,968ポイント)を上回っています。さらにハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数もFOMCの結果発表を受けてプラスに転じ53ポイント高の13,525ポイントとなっています。
2.経済指標等
米連邦公開市場委員会(FOMC)では金融政策の現状維持を決めました。また、経済見通しでは2021-22年の実質GDPの予想を引き上げましたが、政策金利は2023年末までゼロ金利を継続する見通しを維持しています。さらに2月の米住宅着工件数は年率換算で前月比10.3%減の142万1000戸となり市場予想を下回りました。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち6業種が上げ、一般消費財・サービスと資本財・サービスが1%以上上昇し、エネルギーと素材も1%近く上げました。一方で公益事業やヘルスケアなどの5業種が下げ、公益事業は1%を超える下落となっています。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄ではダウ(DOW)が4%を超える上昇となったほか、ボーイング(BA)とキャタピラー(CAT)も3%以上上げました。マクドナルド(MCD)も2%近く上げています。ダウ平均構成銘柄以外では半導体メモリーのマイクロン・テクノロジー(MU)が目標株価の引き上げを受けて3%を超える上昇となりました。住宅建設のレナー(LEN)も決算が市場予想を上回る増収増益となったことで急伸し14%近く上げています。
一方で配車サービス大手のウーバーテクノロジーズ(UBER)が英国で運転手の最低賃金を保障すると発表したことで4%以上下げています。遠隔医療のテラドック・ヘルス(TDOC)もアマゾン・ドット・コム(AMZN)が遠隔医療サービスを主軸するアマゾン・ケアを全米に拡大すると発表したことで4%を超える下落となりました。アマゾン・ドット・コムは1%を超える上昇となっています。
5.為替・金利等
長期金利は0.02%高い1.64%となりました。一時は1.68%と2020年1月以来の水準に上昇する場面もありましたがFOMCの結果を受けて上げ幅を縮めています。ドル円は108円台後半で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
本日の日本市場は米国株高を受けて上昇してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が30,000円の大台を回復できるかがポイントとなりそうです。
( マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)