東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は米国株高を受けて4日続伸となりました。日経平均は76円高の29,287円で寄り付き直後に162円高の29,373円まで上昇した後上げ幅を縮めると取引開始から30分余りでマイナスに転じましたが、1円安の29,210円で下げ渋ると直ぐに切り返し11時10分過ぎに341円高の29,553円まで上昇し277円高の29,488円で前場を終えました。319円高の29,530円でスタートした後場の日経平均は14時過ぎに532円高の29,744円まで上昇するとその後も高値圏で推移し結局506円高の29,717円で取引を終えています。こうしたなか新興市場も高く東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均が揃って上昇となり、東証マザーズ指数は3.0%高となっています。

2.個別銘柄等

昨日の米国市場で半導体株が買われ米国の主要半導体株で構成するフィラデルフィア半導体株指数(SOX)が4.1%上昇した流れを引き継ぎ日本市場でも半導体関連株が買われました。東京エレクトロン(8035)が4.5%高、SCREENホールディングス(7735)が4.4%高、アドバンテスト(6857)が4.6%高、ディスコ(6146)が4.3%高、レーザーテック(6920)が5.3%高、信越化学工業(4063)が5.1%高、SUMCO(3436)が7.7%高となりました。

ソフトバンクグループ(9984)も3.4%高となりました。傘下のビジョン・ファンドが筆頭株主の韓国ネット通販大手のクーパン(CPNG)がニューヨーク証券取引所に上場し公開価格を81%余り上回る初値を付けたことで買いが優勢となりました。IHI(7013)も5.4%高となりました。副社長が2021年3月期に400億円の営業赤字になりそうな航空部門が部品など外部発注の一部見直しや研究開発費の凍結などで固定費を100億円以上削減し来期は最大でも赤字額が200億円に縮小するとの見通しを明らかにしたことが評価されました。楽天(4755)も8.6%高となり昨年来高値を更新しました。日本郵政(6178)と資本業務提携する方針を固めたと伝わったことが材料視されました。日本郵政も4.9%高となっています。さらに制御装置大手のナブテスコ(6268)も国内大手証券が投資判断と目標株価を引き上げたことで6.2%高となっています。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は506円高となりました。昨日の米国市場でダウ平均とS&P500株価指数が史上最高値を更新したうえ、ナスダック総合株価指数も2.5%高と大きく上昇したことから大幅続伸となりました。昨日同様に朝方にマイナスとなるなど伸び悩む場面もありましたが、底堅さをみせるとまもなくして買いが優勢になり上げ幅を大きく広げました。その結果TOPIXに続いて25日移動平均線(29,492円)を回復し、節目の29,500円も大きく上回りました。そのため調整一巡との見方も強まりそうです。なお、日本時間の22時30分には2月の米卸売物価指数(PPI)が発表されるほか、13日午前0時には3月の米ミシガン大学消費者態度指数速報値が発表される予定です。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)