【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 31,802.44  △306.14 (3/8)
NASDAQ: 12,609.16  ▼310.99 (3/8)

1.概況

米国市場は高安まちまちとなりました。ダウ平均は米上院が1.9兆ドル規模の追加の経済対策を可決したのを受け景気敏感株に買いが入り続伸となりましたが、長期金利の上昇を受けてハイテク株に売りが出てS&P500株価指数とナスダック総合株価指数は反落となりました。ダウ平均は15ドル高でスタートすると上げ幅を広げ昼過ぎに651ドル高の32,148ドルまで上昇し2月24日に付けた史上最高値(31,961ドル)を上回る場面もありましたが、その後上げ幅を縮めると結局306ドル高の31,802ドルで取引を終えています。一方でS&P500株価指数が20ポイント安の3,821ポイントとなったほか、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も310ポイント安の12,609ポイントとなり2%を超える下落となっています。

2.経済指標等

1月の米卸売在庫は前月比1.3%増となり市場予想と一致しました。米卸売売上高は前月比4.9%増となり市場予想を上回っています。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち7業種が上げ、公益事業と素材、金融、資本財・サービスが1%を超える上昇となりました。一方で4業種が下げ、情報技術が2%以上下落したほか、コミュニケーション・サービスも1%を上回る下落となりました。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄は30銘柄中25銘柄が上げました。そのなかでもカリフォルニア州がテーマパークの営業規制を緩和すると発表したことからディズニーランドの営業が近く再開されるとの期待が強まったことでウォルト・ディズニー(DIS)が6%以上上げ上昇率トップとなったほか、シスコシステムズ(CSCO)とウォルグリーンズ・ブーツ・アライアンス(WBA)、ビザ(V)、トラベラーズ(TRV)、ホーム・デポ(HD)、ゴールドマン・サックス(GS)も2%を超える上昇となっています。一方でハイテク株に売りが出るなかアップル(AAPL)が4%以上下げ、マイクロソフト(MSFT)も2%近く下落しました。インテル(INTC)とセールスフォース・ドットコム(CRM)も1%を超える下落となっています。ダウ平均構成銘柄以外では、電気自動車のテスラ(TSLA)が6%近く下げ、グーグルの持ち株会社であるアルファベット(GOOGL)と動画配信のネットフリックス(NFLX)も4%以上下落しました。フェイスブック(FB)も3%以上下げています。半導体株も安くエヌビディア(NVDA)が7%近く下げ、アドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)も6%近く下落しました。クアルコム(QCOM)も5%安となり、マイクロン・テクノロジー(MU)も4%以上下げています。半導体製造装置大手のアプライドマテリアルズ(AMAT)も7%近く下落しています。

5.為替・金利等

長期金利は0.02%高い1.59%となりました。ドル円は108円台後半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国市場でダウ平均が続伸となったことから上昇してのスタートが予想されます。米長期金利上昇への警戒感があるなかで日経平均がどこまで上値を伸ばせるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)