【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 31,496.30  △572.16 (3/5)
NASDAQ: 12,920.15  △196.68 (3/5)

1.概況

先週末の米国市場は米雇用統計で雇用者数が市場予想を上回って増えたことで米労働市況が改善しているとの見方が強まり4日ぶりに大幅反発となりました。ダウ平均は105ドル高と上昇してスタートしましたが、長期金利の上昇を嫌気してマイナスに転じると昼前には157ドル安まで下落しました。しかし、長期金利が低下に転じたことで切り返すと午後に入って大きく上げ幅を広げ取引終盤に656ドル高まで上昇し結局572ドル高の31,496ドルで取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も196ポイント高の12,920ポイントとなっています。

2.経済指標等

2月の米雇用統計で非農業部門雇用者数は前月比37万9000人増となり市場予想を上回りました。失業率は6.2%と前月から低下し横ばいとみていた市場予想に反して改善しました。また、1月の米貿易収支の赤字額は前月比1.9%増の682億1300万ドルとなっています。さらに1月の米消費者信用残高は増加を見込んでいた市場予想に反して前月比13.1億ドル減となっています。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は11業種全てが上げました。そのなかでもエネルギーが4%近く上昇したほか、資本財・サービスとコミュニケーション・サービス、素材、生活必需品、ヘルスケアも2%以上上げています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄はボーイング(BA)とゴールドマン・サックス(GS)を除く28銘柄が上げました。そのなかでも原油価格の上昇を受けてシェブロン(CVX)が4%以上上げ上昇率トップとなったほか、インテル(INTC)も4%を超える上昇となりました。また、ユナイテッドヘルス・グループ(UNH)も4%近く上げ、シスコシステムズ(CSCO)とキャタピラー(CAT)、アメリカン・エキスプレス(AXP)、プロクター・アンド・ギャンブル(PG)も3%以上上げています。

ダウ平均構成銘柄以外ではハイテク株に買い戻しが入るなかグーグルの持ち株会社であるアルファベット(GOOGL)が3%以上上げ、フェイスブック(FB)も2%を超える上昇となりました。さらに半導体大手のマイクロン・テクノロジー(MU)が5%以上上げ、決算で売上高が市場予想を上回った半導体のブロードコム(AVGO)も1%を超える上昇となっています。

5.為替・金利等

先週末の長期金利は0.01%高い1.57%となりました。一時は1.62%と昨年2月以来の高水準を付ける場面もありました。ドル円は108円台前半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国株高を受けて上昇してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が節目の29,000円を回復し25日移動平均線(先週末時点で29,301円)を試すような動きをみせるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)