東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は米国株安を受けて大幅反落となりました。日経平均は30,000円の大台を割り込み414円安の29,753円で寄り付くと下げ幅を大きく広げ取引開始から30分余りで949円安の29,219円まで下落しましたが、切り返すと10時過ぎには603円安の29,564円まで持ち直しました。しかし、再び下げ幅を広げると722円安の29,446円で前場を終えました。744円安でスタートした後場の日経平均は一段安となり引けにかけてさらに下げ幅を広げると結局1,202円安の28,966円と安値引けで取引を終えています。
こうしたなか新興市場も安く東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均が揃って下落となっています。
2.個別銘柄等
ハイテク株に売りが出て昨日の米国市場でナスダック総合株価指数が大幅安となったことでソフトバンクグループ(9984)が売られ4.5%安となりました。また、指数寄与度の大きいファーストリテイリング(9983)も4.2%安となり、ソフトバンクグループとファーストリテイリングの2銘柄で日経平均を265円押し下げています。
さらに昨日の米国市場で主要な半導体株で構成するフィラデルフィア半導体株指数(SOX)が前日比5.8%安と大きく下げるなか日本市場でも半導体関連株が売られました。東京エレクトロン(8035)が4.7%安、SCREENホールディングス(7735)が6.5%安、アドバンテスト(6857)が7.5%安、レーザーテック(6920)が5.3%安、SUMCO(3436)が5.6%安となりました。電子部品も安く、日本電産(6594)が4.2%安、村田製作所(6981)が5.2%安、太陽誘電(6976)が5.9%安、TDK(6762)が5.0%安となっています。ソニー(6758)も3.9%安となったほか、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で航空機の娯楽機器を生産する米子会社などの業績が悪化したことを受けて減配を発表したパナソニック(6752)も5.4%安となっています。
一方でエイチーム(3662)がスクウェア・エニックスと共同開発したファイナルファンタジーシリーズのスマートデバイス向けゲームを発売したことで24.7%上昇しストップ高となり昨年来高値を更新しました。メガチップス(6875)もゲームソフトウエア格納用LSIなどの需要が想定を上回って推移していることから通期の業績予想を上方修正したことで2.1%高となり昨年来高値を更新しています。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は1,202円安となりました。米長期金利の大幅上昇を受けてハイテク株を中心に売りが出てナスダック総合株価指数が3.5%安となるなど昨日の米国市場が大きく下げたことで大幅安となりました。今月に入って16日までに2,800円以上も上げるなど急ピッチで水準を切り上げてきたこともあって2016年6月24日以来の大きな下げ幅となったことで、サポートとして意識されてきた25日移動平均線(29,180円)に加え、節目の29,000円も一気に割り込んでしまいました。さらに安値引けと弱い終わりとなったこともあって下値不安が強く意識されそうで、週明け以降も25日移動平均線を下回った状態が続くと調整入りとの見方も増えてきそうです。
なお、日本時間の22時30分には1月の米個人所得・個人消費支出(PCE)が発表されるほか、23時45分には2月の米シカゴ購買部協会景気指数(PMI)が、そして27日午前0時には2月の米ミシガン大学消費者態度指数確報値が発表される予定です。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)