東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は大幅続伸となりました。145円高の30,229円で寄り付いた日経平均は取引開始から20分ほどで390円高余りまで上昇した後一旦伸び悩み9時50分過ぎに240円高近くまで上げ幅を縮めましたが、切り返すと上げ幅を広げ前引け間際に484円高の30,568円まで上昇し480円高で前場を終えました。前引けと変わらずの480円高の30,564円でスタートした後場の日経平均はさらに上げ幅を広げ14時10分前に630円高の30,714円まで上昇しました。しかし、14時30分過ぎから利益確定の売りが出て急速に伸び悩むと14時50分前には224円高の30,308円まで上げ幅を縮めましたが、引けにかけてやや戻すと結局383円高の30,467円で取引を終え昨年来高値を昨日に続いて更新しています。

こうしたなかで新興市場はまちまちで東証マザーズ指数が上昇となった一方で、日経ジャスダック平均は下落となっています。

2.個別銘柄等

日経平均が大幅高となるなかで指数寄与度の大きいファーストリテイリング(9983)が3.1%高となり初めて株価が10万円台に乗せ上場来高値を更新しました。ソフトバンクグループ(9984)も4.1%高となり昨年来高値を更新し、ファーストリテイリングとソフトバンクグループの2銘柄で日経平均を200円近く押し上げています。

また、リクルートホールディングス(6098)も2.8%高となり上場来高値を更新しました。米国の求人サイトのインディードが好調で2021年3月期の営業利益の見通しを1117億円から1512億円に引き上げたことが好感されました。ニプロ(8086)も9.1%高となり昨年来高値を更新しました。米ファイザー(PFE)が開発した新型コロナウイルスワクチンを1つの容器から6回採取することができる特殊な注射器の増産に向けて体制の整備を急いでいると伝わったことが材料視されました。

さらに銀行株や海運株の上昇が目立ち、三菱UFJフィナンシャルグループ(8306)が3.7%高、三井住友フィナンシャルグループ(8316)が2.8%高、みずほフィナンシャルグループ(8411)が2.7%高となり、海運株では商船三井(9104)が4.0%高、川崎汽船(9107)が4.3%高となっています。

一方で電通グループ(4324)が3.6%安となりました。新型コロナウイルスの感染拡大によって世界の広告市況が悪化し海外事業を中心にのれんなどの減損損失を計上したことにより2020年12月期の営業損益が1406億円の赤字となったことが嫌気されました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は383円高となりました。昨日に30年半ぶりに30,000円の大台を回復したことによる達成感からの売りに押されるどころか、昨日までの堅調な地合いを引き継いで大幅高となりました。買いが買いを呼ぶ展開から上値を追う展開となり一時は630円高まで上昇しましたが、さすがに利益確定の売りが出て後場には上げ幅を一時半分以上縮める場面もありました。25日移動平均線(28,769円)との乖離が6%近くまで広がり短期的な過熱感も意識されるなかで明日も堅調さを維持し、さらに上値を伸ばすことができるかがポイントとなりそうです。

なお、本日もブリヂストン(5108)やガンホー・オンライン・エンターテイメント(3765)が引け後に本決算を発表するほか、日本時間の22時30分には2月の米ニューヨーク連銀製造業景況指数が発表される予定です。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)