今週の日経平均は昨年来高値の2万8822円をクリアして2万9000円の大台に向かうだろう。バイデン大統領は、新型コロナウイルス危機対応の経済対策を共和党の協力なしで迅速に推し進める考えを強く示唆した。下院は予算決議案を可決。バイデン政権が掲げる1兆9000億ドル規模の経済対策案を民主党のみで可決させる構えを見せている。最終的に共和党と折り合いながらでも合意に近づけば、市場はそれを好感して一段高となるだろう。但し、米国の長期金利は1.16%まで上昇している。一時は1.18%と1月中旬以来の高水準をつけた。イールドスプレッドの観点から米国株の調整リスクは高まっている。一段高となってPERが上昇し、同時に長期金利も上がれば、バリュエーション的にかなり危険な水準となる。米国株の調整リスクは常に念頭に置いておきたい。

その意味でも注目したい経済指標は10日に発表される1月の米消費者物価指数だ。コロナ禍での供給制約から物価に上昇圧力がかかりやすい。物価高⇒金利上昇とはねる経路には注意したい。その他、注目イベントとして、パウエルFRB議長が10日に行うエコノミッククラブ・オブ・ニューヨーク主催のオンライン講演がある。

今週は国内で決算発表が佳境を迎える。8日にはソフトバンクG(9984)、9日には富士フイルム(4901)、資生堂(4911)、日産(7201)、ホンダ(7267)などが注目されるが、なんといっても10日のトヨタ(7203)の決算発表がハイライトだ。資料の開示時間は午後1時25分で、会見は1時30分から。

新興市場も注目銘柄の決算発表ラッシュだ。2月8日にJMDC(4483)、ハーモニック・ドライブ・システムズ(6324)、ワークマン(7564)、9日に日本マクドナルドHD(2702)、10日にGMOフィナンシャルゲート(4051)、BASE(4477)、フリー(4478)、AI inside(4488)、12日にラクス(3923)、メドレー(4480)、そーせいグループ(4565)、モダリス(4883)、フェローテックHD(6890)などが決算発表を予定している。

今週の予想レンジは2万8500円~2万9100円とする。