米国株が不安定な動きとなり、恐怖指数と言われるVIX指数も30台が4日間続いています。先週は一時37程度まで上昇する場面がありました。

以下の図表で過去を振り返ると、S&P500が急速に調整したところや、調整幅が大きいところ、特に52週移動平均線を下回ったところで顕著にVIX指数が上昇していることが分かります。

【図表】S&P500とVIX指数(2007/8/22-2021/1/29)
出所:QUICK Astra ManagerよりDZHフィナンシャルリサーチ作成

ただ、今回は株価が52週移動平均線や赤線を下回っておらず、大きく崩れていません。むしろ、相場に変調があったかどうかすら分からない程度の調整と言えるでしょう。

短期的には、VIX指数の52週移動平均線は、2020年3月にかけてコロナショックで急上昇したため、上昇しづらいでしょう。つまり、VIX指数が短期的に上昇したとしても、一時的な動きになりやすいのです。2020年の米大統領選前にも上に往って来いがありましたが、今回もそのような見立てができます。

一方、今後のポイントになるのは、長期のVIX指数の見方です。VIX指数の52週移動平均線を図表上でわざと太く示しています。

2008年の世界金融危機からの長い株価の上昇局面が確認できます。しかし、VIX指数の52週移動平均線は2018年あたりから、右肩上がりになってきています。2017年までは高値を切り下げる動きでしたが、現在は上昇トレンドに変わっています。株価上昇が続いているにもかかわらず、上昇トレンドなのです。

株価は高値圏になると乱高下する特性があります。その試練を乗り越えれば、また新しい水準(ポジティブな方向に)に入ることができると考えています。

そういった意味では、株価がコロナショック前の高値を超えたことで、さらに上値を形成していく可能性があります。しかし、VIX指数の長期トレンドを考えると、VIX指数の短期的で断続的な上昇、つまり株価に頻繁に起こりうる波乱を示唆している可能性も考えられます。

現在、VIX指数が30台に入ったことで、過去に比べると上がっているように見えますが、VIX指数の52週移動平均線からのかい離で見ると、まだ大した水準ではないように思われます。