東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は米国株高を受けて続伸となりました。日経平均は116円高の28,207円で寄り付き直後に150円高近くまで上昇した後上げ幅を縮めると9時40分過ぎにマイナスに転じましたが、1円安の28,089円で下げ渋ると持ち直し285円高の28,376円で前場を終えました。271円高の28,362円でスタートした後場の日経平均は直後に280円高の28,371円まで上昇した後13時過ぎに205円高の28,296円まで上げ幅を縮めましたが、その後戻すと引け間際に288円高の28,379円まで上昇し結局271円高の28,362円で取引を終えています。
こうしたなか新興市場も高く東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均が揃って上昇となっています。
2.個別銘柄等
資生堂(4911)が7.2%高となりました。国内での商品販売が想定より回復し、中国で電子商取引(EC)も伸びたことなどから2020年12月期の業績予想を上方修正し赤字の見通しだった営業損益が黒字を確保する見通しとなったことが好感されました。ローム(6963)も5.8%高となりました。新型コロナウイルスの影響で低迷していた自動車向けの部品の生産が急回復していることなどから2021年3月期の業績予想を上方修正し営業減益予想が一転して増益予想となったことが評価されました。デンソー(6902)も7.2%高となりました。取引時間中の11時20分頃に決算を発表し新型コロナウイルスの影響で落ち込んだ自動車部品の需要が回復していることなどから2021年3月期の営業利益の見通しを1000億円から1500億円へと大幅に引き上げたことで決算発表直後に大きく上げ幅を広げる展開となりました。タカラバイオ(4974)も4.5%高となりました。新型コロナウイルス感染の有無を調べるPCR検査用の試薬について国内の生産能力を現行の8倍の月産800万検体分に今夏にも増やすと報じられたことが材料視されました。
一方で京セラ(6971)が一時2.4%安まで下落しました。第3四半期の営業利益が前年同期比で55%近い減益となり、通期計画に対する進捗率も57%余りに止まったことで計画未達への懸念が意識されました。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は271円高となりました。昨日の米国市場が市場の混乱を引き起こしていた個人の投機的な買いが一巡しつつあるとの見方から反発したことで買いが優勢となり、朝方にわずかにマイナスとなる場面もありましたが下げ渋ると上げ幅を広げました。引け間際に290円高近くまで上昇するなど25日移動平均線を回復した翌日に大幅高となったことから短期的な調整一巡への期待も出てきそうで、明日も上昇となった場合には27日と28日に開けた窓(28,542円-28,360円)を埋められるかがまずはポイントとなりそうです。
なお、決算発表が本格化していますが本日も引け後にパナソニック(6752)や三井住友フィナンシャルグループ(8316)などが決算を発表する予定で、2日の米国でもグーグルの持ち株会社であるアルファベット(GOOGL)やアマゾン・ドット・コム(AMZN)などが決算発表を予定しています。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)