豪ドル/米ドルは28%、ユーロ/米ドルも13%に=年間変動率

今年の米ドル/円の最大値幅は、高値が112.2円、安値が101.1円で、11円程度にとどまった(12月28日現在)。これにより、年間値幅は、2017年から4年連続で10円程度にとどまった。米ドル/円のボラティリティー(値動き)の低下、「低ボラ」は構造変化によるもので、もうかつてのように年間値幅が20円前後に拡大することはないのだろうか。

ところで、このような「低ボラ化」は米ドル/円に限ったことではなく、為替相場全体に広がっているといった見方が出てきたのが昨年のことだった。昨年は、主要通貨の年間変動率(高値-安値/年末終値)が米ドル/円7.3%、ユーロ/米ドル6.2%、豪ドル/米ドル8.9%といった具合にことごとく10%未満にとどまった。

こういったことから、「値動きの乏しいのは米ドル/円に限ったことではない。2019年で見ると、ユーロ/米ドルはさらに値動きが乏しかった。低ボラ化は為替相場全体に広がっている」といった意見が浮上、その原因として世界的な金利低下により、金利差が縮小していることなどが注目された。

ただこの点は、今年変化が見られた。今年の年間変動率は、ユーロ/米ドルが13.4%まで上昇、そして豪ドル/米ドルに至っては28%へ急上昇となった。ちなみに米ドル/円のそれも10.6%と僅かではあるが10%を上回った。

これは、3月「コロナ・ショック」での大乱高下の影響による一過性の結果に過ぎないのか。それとも、構造変化による為替相場全体の低ボラ化といった見方は行き過ぎだったのか、2021年にかけて改めてそれが問われることになりそうだ。