東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は続落となりました。日経平均は70円高の26,834円で寄り付くとまもなくして142円高の26,905円まで上昇しましたが、買いが続かず上げ幅を縮め取引開始から20分弱でマイナスに転じると10時50分過ぎに229円安の26,533円まで下落し159円安で前場を終えました。前引けと変わらずの159円安の26,603円でスタートした後場の日経平均は後場寄り直後に169円安の26,593円までやや下げ幅を広げましたが、大引けの5分前に25円安の26,738円まで持ち直すと結局48円安の26,714円で取引を終えています。こうしたなか新興市場も安く東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均が揃って下落となっています。

2.個別銘柄等

住友電気工業(5802)が4.2%高となりました。新型コロナウイルスの感染拡大を受けたテレワークの普及や米国で相次ぐデータセンターの建設で通信量が増大していることから2021年度にも横浜市の拠点で設備を増強し光ケーブルの国内の生産能力を5割増やすと報じられたことが材料視されました。ジーンズメイト(7448)も10.2%高と急伸しました。親会社のRIZAPグループ(2928)が傘下のジーンズメイトとワンダコーポ(3344)、HAPiNS(7577)の3社を経営統合し、株式移転で新たに共同持ち株会社を設立してジャスダック市場に上場させると発表し、株式交換比率をワンダコーポ1株に対してジーンズメイトが0.52株、HAPiNSが0.44株としたことで買いを集めました。HAPiNSも11.8%高と急伸しています。東証マザーズ市場ではそーせいグループ(4565)が6.3%高となりました。英製薬大手のグラクソ・スミスクラインと消化器免疫疾患を対象とするグローバルの研究開発の提携とライセンス契約を結び最大で約47億円の契約一時金などを受け取ると発表したことが好感されました。一方でレオパレス21(8848)が一時3.9%安まで下落しました。入居率の低迷を受け賃貸アパートのオーナーとの間で保証する賃料の見直し交渉に入ると伝わったことが嫌気されました。下げ幅を縮め引けは1.6%安となっています。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は48円安となりました。米議会の与野党指導部が20日に9000億ドル規模の追加経済対策で最終合意したことを好感して時間外で米株価指数先物が上げていたことから上昇してスタートしましたが、英国が新型コロナウイルスの感染力が高い変異種が拡大しているとしてロンドンを含むイングランド南東部などで20日からの外出制限を決めたこともあって新型コロナウイルスへの警戒感が高まり失速し売りが優勢となりました。しかし、一時は230円近く下げましたが、節目の26,500円を前に下げ渋るとその後持ち直し引けは小幅な下落に止まりました。相変わらず下げ幅を広げるとすかさず買いが入ってくるようで、押し目買い意欲は引き続き強いようです。

なお、今週から小売り企業を中心とした2月決算企業の第3四半期決算発表がスタートしますが本日も引け後には西松屋チェーン(7545)が決算を発表する予定です。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)