【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 30,199.31  △337.76 (12/15)
NASDAQ: 12,595.06  △155.02 (12/15)

1.概況

米国市場は追加の経済対策で超党派の議員グループが与野党が合意しやすい項目に絞った法案を公表し、与野党トップが15日の夕方にも協議する見通しと伝わり早期成立への期待が強まったことで上昇し、ナスダック総合株価指数が史上最高値を更新しました。57ドル高でスタートしたダウ平均は直後に210ドル高近くまで上昇した後33ドル高まで上げ幅を縮めましたが、持ち直すと上げ幅を大きく広げ取引終盤には381ドル高まで上昇しました。その後引けにかけて上げ幅をやや縮めたダウ平均ですが結局337ドル高の30,199ドルと反発し30,000ドルの大台を回復して取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も155ポイント高の12,595ポイントと続伸となり8日に付けた史上最高値(12,582ポイント)を更新しています。

2.経済指標等

12月の米ニューヨーク連銀製造業景況指数は4.9と前月から低下し市場予想も下回りました。11月の米輸入物価指数も前月比0.1%上昇に止まり市場予想を下回りました。一方で米輸出物価指数は前月比0.6%上昇し市場予想を上回りました。11月の米鉱工業生産も前月比0.4%上昇し市場予想を上回っています。設備稼働率も73.3%と前月から上昇し市場予想を上回っています。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は11業種全てが上げました。そのなかでも公益事業とエネルギー、素材が2%近く上昇したほか、不動産と金融、情報技術、資本財・サービス、ヘルスケア、一般消費財・サービスも1%以上上げています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄は30銘柄中25銘柄が上げました。そのなかでもアップル(AAPL)が2021年1-6月にiPhoneの生産を前年同期比3割増やす方針を取引企業に伝えたと報じられたことで5%高となり上昇率トップとなったほか、ウォルト・ディズニー(DIS)とトラベラーズ(TRV)、ナイキ(NKE)、キャタピラー(CAT)、ダウ(DOW)も2%以上上げています。また、ゴールドマン・サックス(GS)とIBM(IBM)も2%近く上昇しました。一方でセールスフォース・ドットコム(CRM)とウォルグリーンズ・ブーツ・アライアンス(WBA)、シェブロン(CVX)、ウォルマート(WMT)、マイクロソフト(MSFT)が小幅に下げています。

ダウ平均構成銘柄以外では、製薬のブリストル・マイヤーズスクイブ(BMY)が目標株価の引き上げを受けて4%以上上げています。

5.為替・金利等

長期金利は0.02%高い0.91%となりました。ドル円は円高に振れ103円台後半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国株高を受けて上昇してのスタートが予想されます。米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果発表を控え積極的に動きにくいなかで日経平均が9日に付けた年初来高値(26,817円)を引けで上回れるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)